ARスポーツとして注目されているHADO(ハドー)とは?
HADO(ハドー)とは、AR技術を活用して、バーチャル上で行うARスポーツのことです。ヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを体に取り付け、体を動かすことによって、バーチャル上でエナジーボールを放ったり、シールドを張ったりすることが可能です。
センサーに動きを読み取らせて仮想的なフィールド上を自在に駆け回り、攻撃を放って相手と戦うHADOは、まるで魔法のようなスポーツだと語られることもあります。
HADOが注目されている背景の一つに、近年、eスポーツという新しい分野が普及してきていることが挙げられます。その中でも、HADOのエンターテインメント性は特に着目されているほか、一般的なeスポーツでは重視されないフィジカル面の要素が入る点が特徴的です。
HADOを支える技術であるARとは?
ARとは「Augmented Reality/オーグメンテッドリアリティ」の略称で、仮想空間を使って現実世界を拡張する技術のことを指します。よりかみ砕いていえば、「現実世界にCGを表示させる技術」であるともいえるでしょう。例えばスマートフォンのカメラを構えたり、ARゴーグルをかけたりすることで、作成済みのCGが画面やグラスの向こうの風景に重ねて表示されます。
スポーツ以外の分野では、例えばネットショッピングにおいて、現実世界では何も存在しない棚に仮想現実上で商品を投影し、買い物を楽しむときなどに使用されています。
VRとの違い
VRとは、「Virtual Reality/仮想現実」の略称です。現実世界を拡張するARとは異なり、VRは現実世界を丸ごとバーチャル空間に置き換える技術を指します。
ARは「現実世界にバーチャル空間をプラスする」イメージですが、VRは「バーチャル空間に自ら入る」という違いがあります。例えば、専用のゴーグルを装着することで、装着者は現実世界にいながら、まるでバーチャル空間に入り込んだかのようなリアリティあふれる体験ができます。
HADOは世界で注目されている
近年、HADOは世界で普及しつつあり、高い注目を集めています。全世界でプレイヤーは増えており、2023年2月時点で350万人を突破しています。ここでは、海外と日本それぞれの普及状況をご紹介します。
海外での普及
現状、世界39カ国以上で累計約350万人以上の方がHADOを体験しています。体験済みの人は日に日に増えており、今後も増加していくと考えられます(出典1)。
日本での普及
近年、日本においてもHADOを体験できる施設が登場しており、HADOの大会も開催されるようになってきました(出典2)。さらには、ARの学びの一環として、小学校の体育の授業でHADOが実験的に採用された事例もあります(出典3)。このように、ARという技術が身近になるに従って、少しずつ普及が進んでいます。
HADOの遊び方とルール
HADOには、主に次の4つの遊び方があります。
・HADO Player VS Player
・HADO MONSTER BATTLE
・HADO SHOOT
・HADO KART
人間同士で対戦するゲームや、モンスターを倒すゲーム、仮想空間でカートに乗ってレースを行うゲームなど、バラエティーに富んだ遊び方が楽しめます。ここでは、それぞれの遊び方の概要やルールを解説します。
HADO Player VS Player
HADO Player VS Playerは、プレイヤー同士が有人で対戦するゲームです。最大3対3で戦うことができ、プレイヤーは体を動かすことで「エナジーボール」と呼ばれる攻撃技を放ったり、腕を振り上げる動作でシールドを張り、攻撃から身を守ったりします。
攻撃技と防御技を駆使して対戦相手のライフを削っていき、相手のライフが全てなくなるとポイントが加算されます。制限時間内により多くのポイントを獲得したチームが勝利します。エナジーボールを使用するにはエネルギーをためる必要があるなど、戦略性が問われる点も人気の理由の一つです。
HADO MONSTER BATTLE
HADO MONSTER BATTLEは、目の前に出現したモンスターに攻撃手段の「ファイヤーボール」を命中させ、決められた時間内に倒すアクションゲームです。センサーを付けた状態で手を前に突き出すと、仮想空間上で炎の球を撃ち出すことができます。
またゲーム中にはアイテムが登場し、獲得するとファイヤーボールの威力が上がったり、より強力な技を繰り出したりすることが可能になります。対戦ゲームではなく、複数名で協力しながらプレイすることもできます。
HADO SHOOT!
HADO SHOOT!は、「ファイヤーボール」を使って、壁から出てくるモンスターをプレイヤーが倒していくゲームです。HADO MONSTER BATTLEと主旨は似ていますが、登場するモンスターがポップなデザインで、子どもでも親しみやすい内容になっています。
敵を倒すとスコアを獲得でき、クリア時に参加したプレイヤーの順位が付くため、協力して敵を倒しながらスコアで競う面白さも味わえます。
HADO KART
HADO KARTは、現実世界に設置されたカートを運転し、仮想空間上で行うレースゲームです。ゲームモードは「GHOST BATTLE」と「COIN RUSH」の2種類があります。
GHOST BATTLEでは、カートに乗った状態でプレイヤー同士が魔法を撃ち合い、攻撃が命中すると得点を得られます。最終的に、より多くの得点を獲得した人が勝利します。
COIN RUSHは、カートを運転して仮想空間上に設置されているコインを集め、他のプレイヤーよりも多くのコインを獲得した人が勝利となるゲームです。対戦要素が強いため、家族や友人同士など、さまざまなグループで楽しめます。
HADOのプレイヤーの役割
HADOには、「アタッカー」「ディフェンダー」「テクニッカー」の3つの役割があります。自分に与えられたそれぞれの役割を的確に果たすことで、ゲームを有利に進行できます。ここでは、3つの役割について詳しく解説します。
アタッカー
アタッカーとは、対戦相手に攻撃することでスコアを獲得する役割です。攻撃を命中させることで勝利に一歩近づくので、HADOにおける切り込み隊長ともいえる存在です。
アタッカーの存在なくして勝利はできないため、チームの中でも非常に重要な役割を担います。
ディフェンダー
ディフェンダーは、シールドを張るなどの行動で対戦相手の攻撃からチームを守る存在です。HADOでは相手プレイヤーに攻撃しなければスコアを得られませんが、攻撃されると相手にもスコアが加算されるため、勝利から遠のいてしまいます。
ディフェンダーが対戦相手からの攻撃を防ぎつつ、アタッカーがスコアを稼ぐチームプレイが、勝利を引き寄せるコツになります。
テクニッカー
テクニッカーは、アタッカーとディフェンダー以外の存在で、味方の攻撃力を高めたり、速度を調整したりして、対戦相手を翻弄する役割を担います。
HADOの魅力
近年注目を集めているHADOには、非接触であることから安全に楽しめる、性別や年齢が不問、施設に足を運ぶだけで手軽に体験できるここでは、HADOの2つの魅力をご紹介します。
性別や年齢、体格差に縛られず楽しめる
性別や年齢、体格差に縛られずに楽しめる点も、HADOの魅力の一つです。現実世界のスポーツは、男女の体力差から、性別を超えて平等な結果を出せるスポーツは限られています。また、年齢によって成長度合いが異なるため、子どもと大人が争うことは難しいでしょう。
しかし、HADOなら仮想空間上で対戦するため、どのプレイヤーも条件は同じです。ゲームのテクニック次第で子どもが大人に勝利したり、体重が大きく異なるプレイヤー同士でも気にせず戦えたりします。
施設に足を運ぶだけで手軽に体験できる
HADOで使用する道具は、基本的にHADO体験施設でレンタルできます。そのため、事前に何か準備をする必要はなく、会場の予約をして、施設に足を運ぶだけで楽しめます。
「特別な道具を用意する」というのはハードルが高いものですが、HADOはプレイヤー側の準備が不要であり、体験のハードルが低い点も魅力です。
国内でHADOを体験できる場所
国内でHADOを体験できる場所は各地に広がりつつあります。HADO専用コートも完備している「HADO ARENA」や小規模のHADO専用施設「HADO FIELD」などもあるので、気になる方はWebサイトをご覧ください。
BEYOND SPORTS|HADO店舗一覧
HADOの今後の展開
2021年9月に株式会社日本能率協会総合研究所が発表した調査(出典4)によれば、eスポーツの市場は今後、世界的に拡大していくことが推測されています。このことから、仮想空間を舞台にした体験型スポーツのHADOも同様に、市場が成長していくと考えられます。
以上のことから、HADOを体験する人は今後も増加していき、さらに認知度が高まっていくと予想されます。国内にもさまざまなHADO体験施設が登場していて、日本各地で大会が開催されるようになってきています。
HADOを気軽に体験できる環境が整ってきていることから、これまで以上に身近なエンターテインメントの一つとして普及していくでしょう。
次世代のARスポーツHADOを楽しもう
AR(拡張現実)を活用して、仮想空間上でスポーツを楽しめるHADOは、年齢や性別、体格差を気にすることなく、誰でも気軽に楽しめる新感覚のスポーツです。特別な道具を準備する必要もなく、施設を予約するだけで簡単に体験できるので、今後も多くの人に普及していくと考えられます。
日本国内でもいくつかのHADO体験施設が営業しており、近年では関東だけでなく、地方都市にもその輪が広がってきています。次世代のARスポーツとして、ぜひHADOを体験してみるとよいでしょう。