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健康に良いだけで終わらせない。挑戦する人を支えるウェルネスブランド「テンシャル」

2024.01.26(最終更新日:2024.02.01)

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近年、ウェルネス業界は世界的に注目を集め、日本でもウェルビーイングやサステナブル、エシカルなどをキーワードに、心身の健康をサポートするブランドが急増している。選択肢が増えることは喜ばしい一方で、そのあまりの数の多さに、結局何を選んだらいいのか悩んでしまう消費者も多いのではないだろうか。
選ぶにあたって強力な指標となるのはやはり、実際の効果だ。もちろん効果の感じ方には個人差があり、試してみなければわからないのは前提だが、きちんとした科学的根拠が示されていることは選ぶ一つの理由になる。

今回紹介する「TENTIAL(テンシャル)」は、そうしたエビデンス取得に本気で取り組み、本質的な健康を届けようとするウェルネスブランドだ。効果にこだわるTENTIALの製品づくりの裏側について、研究開発全体の統括を務めるCRO(Chief R&D Officer)の舟山健太さんに伺った。

100%のパフォーマンス発揮をサポートするウェルネスブランド

▲TENTIALの研究開発全体の統括を務める、CRO・舟山さん

――「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに運営されているTENTIALですが、具体的にどんな事業をやっていらっしゃるのでしょうか?

私たちTENTIALでは、挑戦する方々が調子の良い状態をなるべく維持できるようにサポートしたいという想いで、心身のコンディショニングを軸に、日常の健康課題を解決するさまざまな製品を展開しています。

もともとTENTIALは、メディア事業から始まった会社です。月間180万PVを超えるスポーツ情報メディアを運営していたのですが、そのなかで足の悩みを抱えている方が多いという分析結果に辿り着きました。その課題にモノでアプローチしようと立ち上がったのが、ウェルネスブランド「TENTIAL」です。まずは足の課題を解決するインソールを皮切りに、ブランド事業をスタートしました。

――製品やサービスの軸となっている「コンディショニング」。スポーツをやっている方にはポピュラーな言葉なのかなと思いますが、改めてどんなことを指すのか教えていただけますか?

おっしゃる通り、コンディショニングはもともとスポーツの世界で生まれた概念です。スポーツ選手であれば試合当日など、大事なときに100%のパフォーマンスを発揮できるように肉体や精神、健康状態などを整えることを、コンディショニングと言います。睡眠や食事、トレーニング、リカバリーなども全てこの概念に含まれます。だから、ただ“健康になる”のとも少し違います。

――なるほど。コンディショニングは明確な目的のもとに、自分が持つポテンシャルを最大限に引き出すための、整える行為なんですね。

そうですね。現在、TENTIALでは「FOOT」「SLEEP」「WORK」の3つのカテゴリで、リカバリーウェアのパジャマや寝具、入浴剤、ワークウェア、サンダルなど、身体の状態を整える製品を展開しています。「もっと少数の製品に絞って集中した方がいいのでは?」というご意見をいただくこともあるのですが、より良いパフォーマンス状態を維持するためには、24時間のさまざまなシーンにおいて身体を整えられることが理想です。それを踏まえ、TENTIALの製品であらゆる生活シーンを支えられるように、必然的に幅広いラインアップになりました。今後もさらに増やしていく予定です。

徹底的にエビデンスにこだわった製品を

――身に着けたり、日常に取り入れたりするだけで日々のパフォーマンス向上に繋がる、というのはすごく魅力的だなと感じますが、具体的にどんな仕組みで身体を整えてくれるのでしょうか?

たとえば、着て寝るだけで疲労回復できるリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」シリーズは、生地に使われている特殊機能繊維「SELFLAME®︎」に秘密があります。この特殊繊維が自らの体温を輻射(ふくしゃ)することで 血行が促進され、肩や腰などの筋肉のハリ・コリを軽減し、疲労回復を促してくれるんです。リカバリーウェア「BAKUNE」シリーズは、一般医療機器として届出しています。

――気になります。ただ正直なところ、「本当に効果があるの?」と信ぴょう性を疑ってしまう気持ちも……。

世の中には、販売する際の魅力づけとして機能性をプラスしたアパレル製品も多いと思います。一方で、私たちにとって健康機能はオプションではなく製品の根幹となります。製品を使って本質的に健康にならなければ意味がないというスタンスなので、科学的根拠に基づいた信頼できる製品づくりにこだわっています。

開発の際には、プロフェッショナルや専門家の方々の知見をふんだんに取り入れ、機能性に対するエビデンスの取得に力を入れています。また、弊社の製品を使う前後で健康課題がどれくらい解決したかを測定する検証実験も行っています。先日はNTT東日本さんと連携して、社員30名を対象にリカバリーウェアと入浴剤が睡眠課題に与える影響について検証を行いました。

――エビデンスがきちんと示されているのはユーザーにとっても安心材料になりますし、数あるウェルネス商品のなかからTENTIALを選ぶ理由にもなりそうです。

はい。「この製品は身体にいいんですよ」で終わってしまっては、TENTIALが目指す健康に前向きな社会にはまだまだ近づかないなと。そのさらに一歩先の「きちんと人々の健康課題の解決にアプローチする」というところまで踏み込んでいることが、私たちの強みだと思います。

大手製薬会社からベンチャーへ。頑張る人を支えたいという思い

――ちなみに舟山さんはもともと、大学院での研究を経て、大手製薬会社に勤められていたと伺いました。

はい。大学院時代から神経科学分野での研究を行っておりました。その後は、より明確に社会や人のためになるような研究がしたいと思い、病気を治す分野である製薬会社に新卒で入社、生物系の研究者としてキャリアをスタートしました 。

――そこから、ベンチャー企業であるTENTIALに転職することになったきっかけは何だったのでしょうか?

研究経験を積んだのちに、経営企画部に異動して代表取締役社長のサポートをさせていただいていたのですが、その時にMBAを取得する機会がありました。そこで社会に対して何をしたいのか、自分自身ととことん向き合うことになり、浮かんだのが大学院時代のことでした。

研究というのは、世の中にない新しいものを発見する作業なので多くが失敗に終わります。成果が出るまで長期戦なので、かなり忍耐が必要です。そうなると、身近にもメンタルの不調を抱える人が少なくありませんでしたし、私自身も朝から晩まで研究だけに没頭したことで、ガス欠状態に陥ってしまった時期がありました。

そんな当時の仲間や自分のように、まだ病気ではないけれど不調で苦しんでいる人や、頑張りたいのに100%の力を発揮できずにいる人を支えたい、という想いがあることに気づきました 。

――なるほど。まさにコンディショニングの考え方ですね。

はい。私自身、幼稚園の頃から現在に至るまでずっとアスリートとして活動をしてきたので、コンディショニングはとても身近なものであり、自分のパフォーマンスに与える影響を肌で実感してきました。だからこそ、ただ健康になるだけでなく、やりたいことを頑張るために整えていくコンディショニングを通じて、人のポテンシャルを引き出す事業に携わりたいなと。

そこで素直に「コンディショニング会社」と検索したところ、TENTIALがヒットしました(笑)。深く調べていくと、会社として、ただ健康になることを掲げるのではなく、その先のポテンシャルを発揮するところまで見据えているところに惹かれ、転職を決意しました。

開発を支える、アスリートや身体の専門家たち

――舟山さんは2021年に入社以来、会社全体の研究開発を担っていらっしゃるということですが、新しい製品のアイデアはどのように生まれているのでしょうか?

弊社ではどのような製品のニーズがあるのかに加え、消費者の健康課題についての市場分析も行っています。解決できたら多くの人にとって幸せな健康課題と、それを解決するのに適した製品を考えつつ、市場規模と照らし合わせて最終的に機能や製品を決めていきます。

ヒントを得るために、身体のケアやコンディショニングを日頃から行っているアスリートに定期的にインタビューをしたり、理学療法士や足の専門医など身体の専門家の方々に、最近の患者さんの傾向やどうしたら良くなるのかといったところまでヒアリングを行ったりし、それを製品開発に活かすこともあります 。

――実際にヒアリングした健康課題から生まれた商品のエピソードがあればお聞きしたいです。

姿勢補正をしてくれる「ボディケアインナー」という商品があります。健康課題について調べると、必ずあがるのが肩や腰の悩みです。コロナ禍で在宅勤務になったものの、当時はまだ自宅の仕事環境が整っていなかった方が多く、姿勢の悪さから派生した悩みが爆発的に増えました。そこで、デスクワーク時の姿勢を良くしてくれるものがあったらいいよね、という発想からスタートし、一緒にどんな製品がいいかを考えてくれる理学療法士さんを探しました。

▲サポート構造で効率よく正しい姿勢に導く「ボディケアインナー」

先ほども申し上げたように、私たちはエビデンスの取得に注力しているので、製品を着用することで姿勢が良くなっているというデータを出すにはどんな試験が必要か、というところまでサポートしてくださるのが重要な条件になります。研究も臨床もできる理学療法士さんを探すのに苦労をしました。地道にお声掛けして広げてきた繋がりの中から、協力してくださる方を見つけ、一緒に開発に携わっていただきました。

――一つの製品をつくるのにも、実際に形になるまでにはきっとかなり細やかな調整が必要になりますよね。

そうですね。とにかくサンプルをつくってみないと始まらないので、実際につくったものを 理学療法士の先生にも着ていただき、着心地や姿勢のサポート具合などを確かめる作業を2~3回繰り返して正式な形が完成します。

最短3ヶ月で新製品を出せるアジリティの高さも弊社の強みなのですが、最近は最速で出すものと、開発段階からじっくりつくり込むものとでバランスを考えながらやっていますね。

――TENTIALでは機能性にこだわっているからこそ、実際に購入したお客様からの反響はかなり重要だと思いますが、印象的だった声はありますか?

これは私も予測していなかった効果ですが、リカバリーウェアを着用したことで「夜トイレに行くために起きることが少なくなった※」というお声が 多かったのは、驚きましたね。猛暑で空調をつけて寝ると、夜中に冷えて目が覚めてしまう、というケースが多いなかで、その声をいただいたということは、リカバリーウェアが寒さの課題解決にも繋がっているのではないかと。そこで、先日パラマウントベッド社と「夏場の冷え×睡眠に与える影響」に関する検証実験を実施したところ、実際に寒さが和らぐことが示唆されました。


※吸湿速乾性素材で寝汗による冷えを守るため

テクノロジーによる可視化が、健康に関心を持つきっかけに

――2019年にブランドが立ち上がって以来、世の中の健康課題やニーズにも変化があると思いますが、舟山さんの肌感ではいかがですか?

私たちが睡眠用のリカバリーウェアを販売しはじめたタイミングから、睡眠に対する社会の関心度がすごく上がって、メディアでも睡眠特集がよく組まれるようになったと感じています。そのいい波に上手く乗れているなという感覚はありますね。

――睡眠への注目度が上がったのは、どんな背景があるのでしょう。

かなり前から、日本は世界的に見ても睡眠時間が短く不眠大国だ、と言われていて、定期的にテレビでも取り上げられてはいましたよね。ただ、最近特に注目を集めているのは、ウェアラブルデバイスの存在が大きいのではないかと思います。

ウェアラブルデバイスは、日々の睡眠データを分析・記録してくれますよね。今まで目に見えなかったはずの自分の睡眠が、技術の進化で可視化されるようになったことで、多くの人が興味を持つきっかけになったのだと思います。

――たしかに、データが可視化されやすくなったことで、健康について考える機会は確実に増えているように感じます。それにともなって、健康課題に寄り添うTENTIALの製品へのニーズもどんどん高まっていきそうですが、今後の展望をお聞かせください。

今、弊社ではリカバリーウェアが主力商品なので、まずは素材のバリエーションをどんどん増やしていきたいと考えています。秋には、敏感肌の方でも着用いただけるガーゼ素材の製品を発売しました。また、「FOOT」カテゴリーで販売しているリカバリーサンダルは、まだまだ成長の余地があると感じています。今は秋冬用のリカバリーサンダルなども出ていますが、足の負担を軽減してくれる上にあたかかくて、個人的にもおすすめです。今後は私たち自身の足の課題に関する解像度を上げつつ、さらに新しい商品を展開していきたいです。ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。

編集部コメント

正直なところ、近頃世の中に増え続ける健康機能をうたった製品に対して、かなり懐疑的な気持ちを抱いていました。これまでの経験上、期待をして購入したものの、効果を感じられずに落胆したことがあまりに多かったからだと思います。TENTIALの「睡眠の質を上げるパジャマ」の存在を耳にしたときも、当初は同じでした。しかし今回の取材を通して、「製品を使って本質的に健康にならなければ意味がない」と言い切り、エビデンス取得や効果の追求をする皆さんの実直な姿勢、心意気に触れ、いち消費者として、希望を得られたような気がします。さまざまな人の挑戦を支えるパートナーとして、貪欲に進化を続けるTENTIALの挑戦にも引き続き注目していきたいと思います。

[プロフィール]
舟山 健太
執行役員CRO (R&D)
ウェルネスイノベーション本部 本部長

東京大学大学院薬科学研究科で神経科学(脳科学)の基礎研究を行い、薬科学博士を取得。武田薬品工業株式会社のR&D部門に入社し、中枢神経疾患の創薬研究のプロジェクトや国内外のアカデミック研究機関との共同研究の起案から研究リードまで行う。その後、経営企画部において代表取締役CEOの戦略サポートを経て、2022年5月にTENTIALに参画。2020年にMBAを取得(至善館大学)。


(文・むらやまあき、写真/編集・高山諒)