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MaaS(マース)とは何?意味や目的、将来性について分かりやすく解説

2022.05.13(最終更新日:2022.09.15)

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MaaS(マース)は、「Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の略称で、次世代の交通サービスとして世界中で注目されています。日本でも国土交通省や経済産業省を中心にMaaSを推進するさまざまな取り組みを行っているため、ビジネスシーンなどで話題に挙がることも多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなMaaSをテーマに挙げ、意味や目的、将来性について分かりやすく解説します。

MaaSとは

MaaSとは、「サービスとしての移動手段」や「移動手段のサービス化」などの意味で訳される次世代の交通サービスです。
一人ひとりの移動ニーズに対応し、従来の交通手段やサービスの連携とAIや自動運転といったさまざまなテクノロジーを掛け合わせることで、MaaSという新たな概念を生み出そうという取り組みが進められています。現在の交通サービスでは、電車やバス、飛行機などの複数の交通手段を乗り継いで移動をするときには、予約や運賃の支払いは各事業者に個別で行わなければいけません。
しかしMaaSは、複数の公共交通機関や移動サービスを組み合わせてスムーズな移動経路を計画することが可能で、検索・予約・決済までワンストップでできるようになるため、利用者の利便性が大きく向上することが期待されています。

MaaSを推進する目的

MaaSを推進する目的は、利便性を高めることだけではありません。MaaSには、身近にある小さな課題から大きな課題まで、さまざまな課題を解決していくポテンシャルがあると考えられています。
観光や医療といった交通以外のサービスとの連携をはじめ、AIやIoTといったさまざまなテクノロジーを導入することで、地域経済を活性化し、社会や地域の課題を解決することがMaaSの主な目的です。
例えば国土交通省では、高齢化が進行する地域において人流・物流を確保するために、道の駅などを拠点とした自動運転サービスの社会実装に向けた実証実験を行っています。
また、生活・観光サービスや社会インフラなどにおける地域特性に応じたMaaSの実証実験を行う「日本版MaaS推進・支援事業」を行い、山間地域や観光地の移動手段の確保と充実、公共交通機関の維持・活性化など地域課題の解決に向けた取り組みを進めています。 
さらに、2019年からは国土交通省と経済産業省が連携し「スマートモビリティチャレンジ」を開始しました。このプロジェクトにより、地域と企業の協働による意欲的な挑戦を促し、地域モビリティの維持や強化につなげることで、移動課題の解決や地域経済の活性化が期待されています。
経済産業省ではこの取り組みの一環として、「地域新MaaS創出推進事業」の公募も行っています。この事業に選定された地域は「先進パイロット地域」と呼ばれ、地域課題の解決と全国へ横展開のモデルとなる先進事例の創出を目的として、先進的なMaaS実証を進めています。

MaaSの将来性とは

MaaSには、地球温暖化などの環境問題をはじめ、高齢化・過疎化が進む地域の交通弱者の問題、都市部における道路渋滞や駐車場不足などの交通問題といった、さまざまな社会の課題を解決できる可能性があります。
そこでここからは、MaaSの実現によってどのような問題が解決できるのか、MaaSの将来性について解説します。

公共交通機関の有効活用

MaaSを実現するためには、公共交通機関の有効活用が必要不可欠です。特に地方では、人口減少によって電車やバスの利用者数が低下しています。そのため、公共交通機関の経営が厳しくなっているところも多く、廃線を余儀なくされるケースも増えています。
MaaSの実現により、出発地から目的地に向かうまでのさまざまな移動手段、カーシェアやシェアサイクルなどもすべて組み合わせて、複数のルートのなかからスムーズな移動経路を計画できるようになります。
例えばタクシーと長距離バスを組み合わせて利用したり、シェアサイクルと電車を組み合わせて利用したりすることで、これまでよりも公共交通機関を効率的に活用できるようになるでしょう。

自家用車に依存しない地域内移動の創出

交通サービスは存在しているものの、より利便性の高い自家用車利用が多い地方都市型の地域では、自家用車への過度な依存と公共交通のサービス水準および事業採算性の低下による負の連鎖が課題とされています。
MaaSにより、商業施設や飲食店といった生活サービスとの連携、鉄道やバス、タクシー、オンデマンドバスにおける定額制(サブスクリプション)サービスの提供、商業施設や病院などの地域拠点を活用した新たな乗換拠点の創出を行うことで、地域内移動を増やすことができ、自家用車への過度な依存の解消につながるでしょう。
さらに、自家用車から公共交通機関などの交通手段にシフトすることで、交通渋滞の解消やCO2排出量の抑制も期待できると言われています。

高齢者の移動手段の確保

タクシーやバスなどの移動手段と、高齢者の移動目的地となることの多い商業施設や病院といった生活サービスが連携することによって、自動車免許を返納した高齢者も気軽に利用しやすくなることが期待されます。すなわち、 MaaSの普及により、自家用車に依存しない移動ができるようになれば、高齢者も移動手段を確保しやすくなるのです。
また、新たなテクノロジーを掛け合わせることで、自動運転車両の導入、乗り合いタクシーやバスが増えることも期待できます。高齢者の外出機会の創出は、地域問題の解決および地域経済の活性化といった効果を生み出すことができるでしょう。

スーパーシティの実現

MaaSの普及は、スーパーシティと呼ばれる最先端技術を活用した都市の実現にとって、重要な要素となっています。MaaSによる移動サービスの連携やICT、IoT、自動運転などの新たな技術開発によって、都市や地域の課題解決を目指すのはもちろん、スーパーシティが実現すれば、移動に関する膨大なデータを有効活用できるようになります。人の移動データの把握や、ニーズに対応した路線の再構築によって、地域における移動全体の最適化を図る取り組みが進んでいくでしょう。

MaaSが進むことで生活がどのように変わるか興味のある方は、下記関連記事をご覧下さい。
MaaSレベルとは?どのように分類される?レベルごとの状態を具体例で解説

MaaSで注目されるテクノロジーや企業

MaaSの普及を促進するためには、国や自治体はもちろん、新たなテクノロジーの開発や民間企業の連携が不可欠です。
例えば、トヨタ自動車株式会社とソフトバンク株式会社の共同出資により設立したMONET Technologies株式会社では、Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaSを融合させた新たなモビリティサービスである「Autono-MaaS」事業を行っています。
Autono-MaaS事業は、「MONETプラットフォーム」をMaaSサービスの新たな基盤とし、トヨタ自動車が構築しているコネクテッドカーの情報基盤のモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)と、ソフトバンクによるスマートフォンやセンサーデバイスなどからデータを収集・分析することで、利用者にとって価値あるモビリティサービスを生み出し、提供するというものです。

なお、MONETプラットフォームは新たなMaaSサービスの基盤として、人の移動だけではなく、行政・医療・小売・環境などさまざまな目的での移動を車両とシステムの両面から支援することで活かされています。

ほかにも、JR東日本では、SuicaのIDとクレジットカードをひも付けることで、さまざまなモビリティサービスをワンストップで利用することができるアプリ、「Ringo Pass」を配信しています。
Ringo Passは、出発地から駅まで、駅から目的地までの移動をサポートすることを目的としています。例えば、アプリ上からシェアサイクルのポートの位置や台数を確認でき、自転車に取り付けられているカードリーダーにSuicaをタッチするだけで予約なしで利用することができます。また、アプリ上から空車タクシーの位置を確認でき、支払いも後部座席のタブレットに表示されるQRコードから行えるなど、利用者と運転手双方にメリットのあるシステムになっています。
今後はさらに対応するモビリティサービスを拡大し、情報提供や決済サービスの拡充を図ることで、より利便性の高い移動を提供する予定です。

MaaSの事例や実証実験についての詳細は、下記関連記事をご覧下さい。
MaaSを推進する海外での事例、日本での取り組みを紹介
MaaS実証実験はどのように実施されている?結果や今後への影響について

MaaSの取り組みは拡大中、新たなモビリティサービスに期待しよう

ここまで紹介したように、MaaSを活用することで移動の利便性を大きく向上させることができます。ほかにも、MaaSの実現は、地域経済の活性化や課題の解決、スーパーシティの実現など、さまざまな可能性を秘めています。
国土交通省や経済産業省をはじめ、自治体や企業においてもMaaSの取り組みが行われているため、ぜひこの機会にMaaSの意味を知り、これから誕生する新たなモビリティサービスの将来について考えてみてはいかがでしょうか。