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月経管理アプリや女性向けオンライン相談サービスなど、注目集めるフェムテック商品

2022.09.27(最終更新日:2022.09.27)

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世界のフェムテック市場は急速に拡大を続けており、その市場規模は2025年までに全世界で約5兆円規模へ成長すると見込まれています。これまでフェムテック市場は、主に欧米諸国がけん引してきました。しかし近年は、日本国内においても、大手メーカーやスタートアップ企業がフェムテックに関連する分野の商品やサービスに参入し始め、市場が活性化しています。
そこで今回は、国内外の企業が展開する注目すべきフェムテック商品・サービスについて紹介します。

2020年時点で597億円越え!フェムテック市場は拡大中

「フェムテック(Femtech)」とは、女性の健康やライフスタイルにおけるさまざまな悩みを、テクノロジーの力で解決する商品やサービスを指す言葉です。2020年の日本のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)の市場規模は、株式会社矢野経済研究所の調査(出典1)によると、前年比103.9%の597億800万円と報告されています。そのような中、経済産業省はダイバーシティの推進につながる女性の就業継続支援も視野に、2021年度から「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を設立しました。これを機に、フェムテック市場へ本格参入する企業も見られるようになってきています。ほかにも、SDGsの認知度向上を背景に、ジェンダー平等や女性の社会進出といった動きが加速したことも後押しとなりました。
また、2022年に生命保険会社が行ったアンケート(出典2)では、フェムテックに関するアプリやWebサービスなどを利用したことがあると答えた人の割合は54.6%に上り、昨年比で28.2%増加したことが明らかとなりました。2021年度には、「フェムテック」が流行語大賞にノミネートされるほど、国内での注目度も高まりました。

フェムテックについての詳細は、下記関連記事をご覧ください。
女性特有の悩みをテクノロジーで解決する「フェムテック」とは?注目の理由を解説

日本でフェムテックに取り組んでいる企業10選

では、実際にどのような企業がフェムテックへの取り組みを加速させているのでしょうか。ここでは、フェムテックの活用に取り組む経済産業省が「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」の対象として採択した国内の代表的な企業を中心に、そのフェムテック商品・サービスを紹介します。

株式会社TRULY

株式会社TRULYは、更年期症状による心身の変化が原因で「退職した」「管理職昇進を足踏みしている」といった働く女性の現状を受け、法人向けのオンライン相談サービス「TRULYチャット相談 for Business」を提供しています。
TRULYチャット相談 for Businessでは、更年期症状に関する悩みはもちろん、月経・PMS・妊娠といった人に話しにくい性の悩みまで、女性医師にチャットで気軽に相談できます。

株式会社Kids Public

株式会社Kids Publicは、産婦人科・小児科医師へのオンライン相談窓口、産婦人科医とのリモートでの定期面談、医療・健康情報の提供を組み合わせたオンライン支援プログラムを提供しています。
企業・自治体向けに販売しているサービスで、企業や社会において女性従業員への健康支援アプローチがもたらす有益性などを検証することを目指しています。

株式会社ファミワン

株式会社ファミワンでは、LINEを通じて妊活・不妊治療に取り組む方のサポートを行っています。加えて、自治体や企業との連携を強化し「性教育・月経・妊活当事者・妊活支援者・更年期」の5つのテーマでセミナーを開催することで、妊活当事者だけでなく周囲の方への啓蒙も行っています。

メロディ・インターナショナル株式会社

メロディ・インターナショナル株式会社は、周産期(※)遠隔医療プラットフォーム「Melody i」と、モバイル胎児心拍陣痛モニター「分娩監視装置iCTG」を活用した、出張妊婦健診や在宅妊婦健診を提供しています。
この周産期遠隔医療サービスを活用し、リスク出産や長距離通院の負担を緩和すると同時に、妊娠中に働く女性が仕事と安全な妊娠・出産の両立を実現できる仕組みの構築を目指しています。

※母体や胎児・新生児にとって、生命に関わる事態が発生する可能性が高いといわれている期間のことで、妊娠22週から出生後7日未満までの期間を指す。

vivola株式会社

vivola株式会社は、仕事と不妊治療の両立に関する課題への取り組みとして、不妊治療専門医・婦人科医・患者をつなぐ遠隔医療の枠組みを確立し、システムを通じてサポートしています。それにより、患者の通院に要する時間削減および医師・患者の満足度向上を目指しています。
また、不妊治療を経て妊娠した女性のデータを可視化し、それぞれ自身に似た方の情報や治療データを見ることができるアプリ「cocoromi」をリリースしています。

株式会社陽と人

株式会社陽と人は、「明⽇ わたしは柿の⽊にのぼる」というデリケートゾーンケアブランドを立ち上げ、植物由来で⾝体に優しい製品を販売しています。このデリケートゾーンケア製品を通じて、「ローカル経済圏も含め日本全国の女性が望むキャリア形成や職場での活躍ができる土台をつくる」ことを目的としています。
また、提供する製品やサービスを通じ、女性の潜在的ニーズの掘り起こしおよび東京と地方の情報・製品・サービスアクセスの格差改善を目指しています。

アボワールインターナショナル株式会社

アボワールインターナショナル株式会社は、乳がん患者用シリコンパッド・下着の開発を手がける会社です。治療中や退院後だけではなく、「皮膚が落ち着いたら」「腫れや痛みがとれたら」「乳房再建手術をしたら」といった胸の状態に合わせて、豊富なラインアップが用意されています。
この事業を通し、乳がん患者用シリコンパッドの販路拡大をはじめ、乳がん患者および経験者の雇用創出による社会復帰支援を目指しています。

シャープ株式会社

シャープ株式会社は、重量の増減で生理用品の残数を管理するIoT収納ケースを開発しました。アプリと連携することで、生理用品を何枚使ったかを自動で記録してくれるうえ、月経の開始日・終了日といった月経周期の自動記録も可能です。さらに、夜用・昼用というようにサイズ別で使い分けている方が多いことを考慮し、種類ごとに収納できるようになっています。

株式会社エムティーアイ

株式会社エムティーアイはスマホ上で月経日の記録・管理ができる「ルナルナ」を提供している企業で、日本でフェムテックという言葉が浸透し始める前の2000年にサービスをスタートしました。そして2021年には、丸紅、カラダメディカと業務提携し、フェムテックプログラムの共同開発を推進することを発表しました。
このプログラムは、医療機関と連携したオンライン相談・診療サービスの提供を通じ、働く女性がライフステージごとに直面する健康課題の改善を一貫してサポートすることを目指しています。

fermata株式会社

fermata株式会社は、世界初のフェムテック専用オンラインストア「fermata store」を運営しています。「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」をビジョンに、月経から妊娠・産後ケア、不妊・妊よう性(※)、 更年期それぞれの悩みや課題にアプローチする、国内外の選りすぐりのフェムテック製品を販売しています。

※妊娠するための力のこと。卵子と精子だけではなく、性機能、生殖器、内分泌の働きも重要であり、男性・女性いずれも関わる。

日本でも手に入る海外のフェムテック商品や、先進的なサービス

海外でも、女性のさまざまな健康課題に合わせたフェムテックのサービスや製品が次々に誕生しており、なかには日本で購入できる製品もあります。ここでは、先進的なフェムテックのサービスを開発している代表的な海外企業と、そのフェムテック商品・サービスを紹介します。

BioWink/ドイツ

ドイツのBioWinkにより開発された「Clue」は、世界190ヶ国で1,200万人のユーザーを持つ月経管理アプリです。月経・排卵・PMS予測や、生理周期を通じて肌・ストレス・活力レベルの要因がどのように変化するのかを知ることができます。フェムテックという言葉の生みの親でもあるデンマーク人のイダ・ティン氏と、ドイツ人の起業家であるハンス・ラファウス氏によって2012年に共同設立され、世界のフェムテックの起源となったサービスとして全15言語で提供されています。

Lady Technologies/アメリカ

Lady Technologiesは、妊娠を望む際に基礎体温と並んで重要な指標となる「おりもの」に着目した妊活デバイス「Kegg」を開発したアメリカの会社です。開発者のクリスティーナ・カホジョヴァ氏自身が、従来主流となっている「見て、触っておりものの状態を確認する」という手法に疑問を持ったことがきっかけで開発に至りました。
Keggは、手のひらサイズで気軽に客観的におりものを計測できるデバイスで、 生体インピーダンス法と呼ばれる方法によって、頸管粘液(おりものの一部)の電解質をモニタリングするという仕組みです。アプリとセットで用いれば、ユーザーはモニタリング結果から自分の排卵日や妊娠しやすい期間を知ることができます。 現在は、この技術を活かし、妊娠や出産に必要不可欠な女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の不足など、女性に特有の頸管粘液のパターンを検出するための臨床試験も実施しています。

Modern Fertility/アメリカ

アメリカのModern Fertilityは、女性が自身で採取した指先の血液で不妊の検査ができるキットを展開しています。キットを使ってホルモンを測定すると、卵子の数・閉経するタイミング・卵子凍結や体外受精への適性に関するデータが、後日デジタルレポートで届きます。結果に応じて、希望すれば医師に相談できたり、コミュニティに参加して情報を得たりといったアフターサポートも行っています。

AISLE/カナダ

AISLEは、サステナブルで倫理的なビジネスで知られるカナダの会社で、「使い捨てられる物や存在がいない世界」を目指し吸水ショーツを販売しています。吸水ショーツが誕生したきっかけは、創業者のマデリン・ショー氏がタンポン以外の選択肢を増やすために布ナプキンを使ったところ、生理アイテムに感じていた問題が解決したという経験からでした。
多くの方が使っている使い捨ての生理アイテムと比較すると、吸水ショーツはゴミ問題の解決にもつながることから、環境問題にも効果的で健康的な生理アイテムとして浸透しています。

Belly Bandit/アメリカ

Belly Banditは、妊娠前から妊娠中、そして産後のすべての女性が満足し、自分に自信を持てるようにとの思いから、アメリカの3姉妹が立ち上げたブランドです。
昼夜問わず着用できる骨盤サポートベルトや、フックを外すだけで簡単に授乳でき、吸水性と通気性を兼ね備えたブラジャーを販売しています。妊娠中に起こりやすい骨盤や腰の痛みや、授乳中の乳首のひび割れや擦れを軽減できるようサポートしてくれます。

Kindbody/アメリカ

アメリカ・ニューヨーク発のKindbodyは、クリニックでのオフライン診察とオンライン診察のハイブリッドで不妊治療や卵子凍結のサービスを行っています。また、企業向けに福利厚生として従業員の不妊治療をサポートするといった、多角的な不妊治療と家族づくりをケアしています。

今後は10~20代の女性ニーズをとらえていけるかが鍵

ここまで、日本と海外におけるフェムテックの具体的かつ、先進的な事例を紹介してきました。フェムテック市場は、大手企業が取り組みに乗り出し始めたことにより、日本においても広がりを見せています。
なかでも、内閣府によって発表された「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」において、「生理の貧困」が社会問題としてクローズアップされたことを受け、月経分野のアイテムやサービスに関心が集まっています。2019年から2020年にかけて、生理用ナプキンが不要となる吸水ショーツや、月経カップが相次いで発売されたことも、象徴的な現象と言えるでしょう。この活況のなかで、メインターゲットとなったのは30~40代の女性でした。
今後、フェムテックのさらなる訴求、認知拡大を図るためには、10~20代の女性のニーズをとらえた商品やサービスの開発といった動きが必要になると予測されます。加えて、月経分野にとどまらず、更年期ケアやセクシャルウェルネス系のアイテム、サービスの普及促進といった多角的な視点での取り組みが、フェムテックの浸透を促す必須条件となるのではないでしょうか。