当社サイトでは、サイト機能の有効化やパフォーマンス測定、ソーシャルメディア機能のご提供、関連性の高いコンテンツ表示といった目的でCookieを使用しています。クリックして先に進むと、当社のCookieの使用を許可したことになります。Cookieを無効にする方法を含め、当社のCookieの使用については、こちらをお読みください。

子供から高齢者まで、家族の安全を最大化!「最新スマートロック」が守る、家の防犯対策最前線

2023.08.08(最終更新日:2023.08.08)

読了時間目安 12

シェアする

共働き世帯が増えるなかでは、子供に鍵を預けることによる、鍵の紛失・締め忘れリスクはどうしても高まります。また、高齢化が進むことで認知症患者が増加することもあり、認知症に罹患した家族の徘徊対策も重要な課題です。これらの課題は、家の防犯対策の最前線である「玄関の鍵」を「スマートロック」に変えることで、解決するかもしれません。今回は、家庭における防犯の実態とスマートロックの最新技術についてみていきましょう。

巷で人気の「スマートロック」とは?

忙しい朝、「鍵ないよ! どこいった?」と焦ったり、「あれ? 鍵かけたっけ?」とせっかく家を出たのに戻ったり……日常生活のなかでこのようなことはありませんか? 何度かこういった経験があると、積み重なったストレスが負担となることもあります。また、共働き世帯が増えるなか、家を留守にする時間も長くなり、不安を感じることもあるでしょう。

そんなストレスや不安を解消できる一手に「スマートロック」があります。スマートロックとは、スマートフォンやタブレットに専用のアプリをインストールし、このアプリからドアの施錠・開錠を管理するシステムです。自宅やオフィスなどのシーンですでに広く使われています。

とても便利そうなシステムですが、「どうせ高いのでは?」「本当に安全なの?」と不安を感じる人もいるかもしれません。そこで、スマートロックの詳細と昨今の防犯事情についてみていきます。

住まいにおける侵入窃盗の現状

スマートロックの導入は防犯に役立ちますが、住まいでの侵入窃盗の現状はどのような状況でしょうか。警察庁の統計によると、ホームセキュリティ等の充実で侵入窃盗の認知件数は年々減少しています。しかしながら、令和4年では3万6,588件の侵入窃盗が発生しており、そのうちの約半数近く(45.1%)が、住宅(一戸建て住宅・共同住宅)で発生しているものとなっています。

[図表1]侵入窃盗の発生場所別認知件数 ※警察庁 住まいる防犯110番 HPより引用

また、侵入手口のトップ3は次のようになっており、ほかにもピッキングやサムターン回しといった手口もあります。

[図表2]侵入手口のトップ3 ※警察庁 住まいる防犯110番 HPより引用

どの住宅もトップは「無締り」となっていて、「鍵をかける」といった毎日の基本的な動作が非常に重要であることがわかります。

多機能スマートロックで侵入窃盗リスクを大幅に軽減

スマートロックには、オートロック機能が一般的に搭載されていますので、ドアが閉まれば自動的に施錠することができるようになっています。そのため、鍵のかけ忘れの心配がありません。

「合鍵」も家族が多くなると、紛失等のリスクが大きくなります。ですが、スマートロックはスマホ等のデバイスで管理できますので、わざわざ鍵を作る必要もありません。また、キーパッドによる暗証番号入力や指紋認証の機能を持つものもありますので、こういった機能を利用すれば、スマホを持たないお子さんのいるご家庭でも利用することが可能です。

さらに、親戚や友人等と家で待ち合わせをすることもあると思います。もし自分の帰宅が遅れてしまった場合、大事なお客様を家の前で待たせるわけにもいきませんよね。そんな場合も外出先からスマホで開錠することはもちろん、お客様にワンタイムパスワードを発行することで、お客様自身に開錠してもらうことも可能となります。

そしてスマートロックは鍵穴自体を塞いでしまうことができますし、スマホ等で外出先でも施錠や開錠の履歴状況を確認することができるため、万が一、サムターン回しやピッキングといった不法侵入があったとしても気が付きやすくなっています。泥棒もスマートロックを見るだけで手を出さずにあきらめてしまうでしょう。

また、スマートロックにはハンズフリーの機能が付いているものもありますので、スマホをバッグやポケットに入れておけば、ドアに近づくだけで自動的に開錠することができます。鍵やカードキーを探したり取り出したりする必要がありませんので、「お子さんを抱っこしている」「買い物や荷物で両手がふさがっている」といった場合も非常に便利です。

介護や認知症の徘徊対策にも役立つスマートロック

スマートロックは防犯だけでなく、年々増えている認知症対策にも役立つことをご存じでしょうか?

内閣府の平成29年度高齢者白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人で高齢者の約15%の割合(7人に1人)だったのですが、2025年には認知症有病率が一定であったとしても797万人に増え、約20%(5人に1人)が認知症になるという推計もあります。

[図表3]65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率  ※内閣府HP「平成29年版高齢社会白書(概要版)3高齢者の健康・福祉」より引用

認知症患者が増えてくると、当然徘徊による問題も大きくなってきます。徘徊は怪我や事故などの危険が伴うだけでなく、患者自身が自宅の住所や帰り道がわからなくなってしまうことで行方不明になってしまうこともあります。そのようなことを防ぐためには、家の中からでも簡単に外に出られないような仕組みも必要です。

最近のスマートロックには、室内からの解錠にも認証の仕組みを取り入れることで認知症患者による予期せぬ外出を防ぐことができるものもあります。このように目的に応じたさまざまなスマートロックが出てきていますので、必要な機能を明確にしてお店に相談してみるのもいいでしょう。

さらに、介護を必要とする人が家族にいる場合、ヘルパー等の第三者の出入りがあるケースもあります。

筆者も介護をしていたため、訪問介護を利用したことがありますが、訪問するヘルパーさんは日によって違いますので、そのときどきの鍵の渡し方などには工夫が必要です。しかし、スマートロックであれば、ヘルパーさんに鍵を預けることなく家の中に入ってもらうことができます。今後は介護を必要とする高齢者も急増してきますので、自宅で介護するご家庭も増えてきます。介護に適したスマートロックの新商品ももっと増えてくるかもしれませんね。

スマートロックにかかる費用

スマートロックはいま使っているドアに後付けになり、1万円〜5万円ほどの金額で導入が可能です。防犯カメラにかかる費用よりも低くなります。

取り付け方法は、工事して設置する方法と、両面テープで貼り付ける方法があります。両面テープタイプであれば、簡単に取り付け・取り外しができるため、賃貸物件での利用も問題ありませんし、コストも安くて済みます。

しかし、スマートロックの種類や現状のドアの状態によっては取り付けが難しく、ドアノブに穴あけ工事が必要だったり、シリンダー交換をしなければならなかったりするものもありますのでご注意ください。

スマートロックのデメリット

スマートロックは基本的に電池式のため、電気が通っていない場所や停電時でも問題なく利用することができますので災害時に停電になっても困ることはありません。しかしながら、中に入っている電池が無くなってしまうと使えなくなってしまうので注意が必要です。当然、電池切れの前に通知してくれる機能がありますが、予備の電池を常備しておくなど準備は万全にしておきましょう。

スマートロックではスマホが大きな役割を果たします。そのためスマホが故障したりスマホをなくしてしまったりすると鍵をなくすのと同じことになります。

そして、よくあるのがスマホのバッテリー切れです。スマホのバッテリー残量には常に注意をしたり、モバイルバッテリーを持ち歩いたりするなどしましょう。また、ちょっとした外出の際にはスマホを室内に置いたまま外にでてしまうと、オートロック機能により締め出されてしまうため注意が必要です。

なお、スマートロックは物理的な鍵と併用することが可能です。もしスマートロックが使えなくなっても通常の鍵での施錠・開錠をすることができますが、もともとの差し込み鍵を残しておくことで鍵の持ち歩きが必要になったり、合鍵のリスクが残ったりしますので、これはこれで注意が必要になります。

スマートロックのセキュリティ面は問題ないのか?

スマートロックの利用では暗証番号のハッキングなどを心配される方もいらっしゃるでしょう。

スマートロックは鍵とスマホの通信にBluetoothの規格を採用しているものがほとんどで、その理由はセキュリティ性能が高いことにあります。暗号化通信も強度の高い「公開鍵暗号方式」や、インターネットショッピングでクレジットカード情報を入力する際に使われている「SSL通信」など、高いセキュリティ規格で守られています。

ですが「脆弱性が100%ない」とは言い切れません。スマートロックのアプリを更新により最新のものにするのは当然ですが、お使いのスマートロックのモデルが廃止されたり、サポートが終了してしまったりといったこともありますので、ユーザー側も気を配っておくことが必要です。

スマートロックだけでは完全な防犯はできない

スマートロックはセキュリティ性が高く便利なものですが、防犯に万全ではありません。前述の侵入手口のトップ3内には「ガラス破り」がありましたね。スマートロックはあくまでも玄関に対してのみ防犯機能が発揮できるものになりますから、併せてほかの窓などの侵入口の防犯体制も高める必要があります。

人気商品Qrio Lockでスマートな生活を手に入れる

ここでは、累計20万個も売り上げたQrio Lockをとりあげ、スマートロックについて具体的にみていきます。価格は2万円台、いま使っている鍵の上に両面テープで貼るだけなので、工事不要で自分で設置でき、アプリからの鍵操作ですぐに利用できるようになります。

また、Apple Watch等のスマートウォッチからの操作も可能なので、ジョギングや手ぶらでちょっと外出したい時なども便利です。お年寄り等に持たせるには、車のリモコンキーのような専用リモコンキーを別売り(6,000円程度)で購入することもでき、使い勝手がよくて便利です。

賃貸で利用する場合は両面テープでの跡残りが心配ですが、Qrio Lockでは跡残りのしにくい専用の両面テープを使用しますので、安心して取り付けることができます。なお、賃貸の場合、玄関の外側は共有部分となってしまうため、勝手な変更はできないですが、Qrio Lockの取り付けは専有部分である玄関の内側のため、問題がありません。賃貸にお住まいの方でスマートロックに興味のある方は是非使ってみてください。

スマートロックを上手に使ってスマートな生活を手に入れましょう。

[著者情報]
川淵ゆかり

川淵ゆかり事務所代表
ファイナンシャルプランナー
(1 級ファイナンシャル・プランニング技能士)

国立大学行政事務(国家公務員)後にシステムエンジニアとして、物流・会計・都市銀行などのシステム開発を担当。その後FPとして独立し、ライフプランやマネープランのセミナーのほか、日商簿記1級、CFP、情報処理技術者試験の合格経験を活かして、企業や大学での資格講座・短期大学や専門学校での非常勤講師としても勤める。