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所要時間はたった10分。スマホでできる「初めての投資」

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2023.01.17(最終更新日:2023.03.28)

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スマホを使った投資方法には、どんなものがあるのでしょうか? 投資診断士・笹田潔氏が、スマホアプリでできる投資の種類や投資の基礎を解説します。

「貯蓄」から「投資」の時代へ

2022年5月上旬、岸田首相は英国金融街シティでの講演で、「資産所得倍増計画」を打ち上げ、「約2,000兆円もの日本の個人金融資産の半分以上は現金・預金で滞留している。これを株式などの投資に回し、投資先企業が成長すれば、家計には株の値上がり益や配当として恩恵が及ぶ」として、「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と呼びかけました。

また、同年11月には「新しい資本主義実現会議」で「分厚い中間層を形成する上で、家計の金融資産所得を拡大することが大切だ。資産運用収入の倍増を見据える」とも語っています。

日本政府は現金・預金で滞留している資金を株式や外貨などの投資に向けることで景気を好循環に向かわせたい思惑があるものの、一般消費者の感覚では、資産運用や投資商品はいまだ馴染みの薄い存在であることは言うまでもありません。
 
この機会に、今やなくてはならない身近なツール「スマホ」を活用し、簡単に投資経験を積むことができるアプリやサイトで学んでみてはいかがでしょうか?

本記事では、スマホアプリでできる投資の種類や投資の基礎を解説します。ただし、投資アプリの具体的な名前や、会社・商品の紹介まではしていません。投資はあくまで自己責任で行うものです。アプリ名やサイトを確認したい場合は、本記事に書かれている語句を基に検索サイトで調べること、そして、投資アプリの活用はご自身で行うことをおすすめします。

スマホアプリで投資できる商品の種類と特徴

一言で投資といっても、取扱商品によってアプリの種類が異なります。では、実際にスマホアプリで投資できる商品にはどのようなものがあるのでしょうか?

下記に、スマホアプリで投資できる商品の例をまとめます。あくまで代表例ですが、ご自身の投資スタイルに合った商品選択を行う上で判断材料の一つとなるでしょう。

スマホアプリは、その運営会社が投資商品を供給する場として利用料フリーで提供しているものがほとんどですが、投資商品の購入時に販売手数料が控除されることがあります。

※ボラティリティとは、簡単に言うと「株価や通貨の値動きの変動率」です。一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、「ボラティリティが大きい」=「その商品の価格変動が大きい」、「ボラティリティが小さい」=「その商品の価格変動が小さい」を意味します。

どの投資商品のアプリを選んだ場合にも、口座開設や、本人確認書類の提示などが必要になります(所要時間 10分程度)。

投資商品によっては、数百円単位から投資できるものもあります。投資商品ごとの特徴を具体的に見ていきましょう。

株式投資

国内・国外を問わず株式に投資する形式です。ポイントは、従来の株取引と異なり少額から購入できることです。これまで「ある程度まとまった金額がないとチャレンジできない」と株式投資を諦めていた人には利用価値が大きいでしょう。ネット系証券会社のアプリが中心で、100円から投資ができる証券会社のアプリや、電子マネーに手数料無料で出金可能なアプリもあります。

FX投資

米ドルやユーロなどの外貨を売買することによって利益を狙う投資方法です。円相場を考慮しながら、円高のときに外貨を購入し、円安になったらその外貨を売却することで利益を得ていきます。また、FX投資ではレバレッジ取引という仕組みも利用することができます。これは少ない自己資金で多くのリターンを得る仕組みで、たとえばレバレッジが20倍に設定されていると、手持ち資金が5万円しかなくても、その20倍である100万円の取引ができるわけです。しかし大きな損失に繋がる恐れもありますので、注意が必要です。

ポイント投資

TポイントやPayPayのボーナスポイントを活用して株式などの運用を行う投資です。アクティブ運用かパッシブ運用を選択するだけで、株式などと連動してポイントを運用してくれます。

不動産投資

アパート経営などの不動産投資ジャンルのアプリもあります。一般的に、不動産投資をする人は他に本業を持っていることが多く、本投資を含めて、本業以外のことにかけられる時間はそう多くないでしょう。不動産投資アプリではアパート経営などにかかる諸々の諸費用を運用会社が完結してくれるので、時間の取れない方にも適しています。

おつり投資

クレジットカードやAmazonなどのECサイトにアプリを登録しておくことで、計算されたおつりを世界中の資産へ投資するアプリがあります。おつりは100円単位・500円単位・1,000円単位などで設定することが可能で、設定金額から自動計算されたおつりが、投資に回る仕組みです。

おつり全額までは投資に回したくないという人は、買い物のたびに投資に回すかどうかを選択することもできます。また、月々の上限額も設定できるので、想定以上に投資に回してしまう心配もありません。nanacoやANAマイレージバンクのマイルなど多くの外部ポイントとも提携しているので、有効期限切れになりそうなポイントを投資に回すことも可能です。

仮想通貨投資

ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を使って資産運用する方法です。株式投資と同じく、購入する通貨の種類を選んで値上がりしたタイミングで売却して利益を得る手法です。仮想通貨は小数点以下の取引も可能なため、日本の取引交換所が用意した、500円以上の金額を1円単位で投資可能としているアプリがあります。

投資の基礎

投資商品には様々な種類があります。投資における資産防衛手段は「長期・分散・積立」が基本です。スマホアプリで投資商品を一つ購入したら、自己の資産を運用するために必ず「長期・分散・積立」を意識してください。異なる動きをする複数の投資商品を組み合せて利用することをアセット・アロケーションと言います。アセット・アロケーションを管理するスマホアプリもあります。

アセット・アロケーションの例

プロのトレーダーであってもアセット・アロケーションは必ず意識しています。

現預金は物価上昇により実質目減りします。日本人は資産運用に保守的といわれますが、自己資産を現預金だけに集中投下することが逆にリスクを大きくしているということに、お気づきになったのではないでしょうか。

スマホアプリで投資するメリット

スマホアプリで投資を行うメリットは、下記の通りです。

少額投資ができる

スマホの投資アプリには、最低投資金額が数百円に設定されているものもあるので、少額から投資を始めることができます。また、提携ポイントを投資に回せるアプリもあります。

すきま時間投資ができる

いつでも、どこでも投資することが可能です。日々変化する金融商品の動向も、スマホアプリであれば随時チェック可能になります。外出先でもスピーディーに判断し、投資に割ける時間が限られている人でも、すきま時間で投資できることがメリットとして挙げられます。

資産管理が容易

前述の「アセット・アロケーション」という言葉と、金融商品の購入で使われる用語である「ポートフォリオ」とでは、以下のように使い分けられています。

一般的に、アセット・アロケーションは「資産クラス(資産の種類や分類)」の配分を決めたものであり、ポートフォリオは、アセット・アロケーションに従って資産クラスごとの「具体的な金融商品」を決めたもののことを言います。ポートフォリオはある程度の知識がないと自分で組むことは難しいとされていますが、スマホアプリではAIによるロボアドバイザー型の投資アプリも存在し、入力した設定に沿って自動でポートフォリオを組むことも可能なのです。

前述の通り、投資の基礎として全体のバランスを把握しておくことは非常に重要です。どのような金融商品に投資しているのか一元管理できるアプリも無料で入手可能です。

まとめ

スマホの普及により、保有資産を投資に回すことが容易になりました。ただし、投資商品の運用益を申告し、正しく税金を収めなければならないものがほとんどです。

また、リスクとリターンは表裏一体であり、投資は自己責任で行わなくてはなりません。どのアプリや投資商品を選択するにせよ自己の判断で行うこと、最終的に得た利益に関する税金の知識も身につけた上で、ご自身が許容できる範囲の中でチャレンジすることをおすすめします。

[プロフィール]

笹田潔
株式会社BPアレンジメント 代表取締役
1級FP技能士、宅地建物取引主任士、投資診断士
大手損害保険会社入社後、17年後に投資銀行へ転職。投資銀行で10年間、新事業会社の立上げを中心とした役割を担う。投資銀行子会社の公会計コンサルティング会社で4年代表取締役として、全国の地方自治体の会計コンサルタントとして活躍。公会計分野の事業およびチャネルを譲り受ける形で独立し、現在に至る。