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ゴーストレストランを開業する企業や個人が続出!今後のフードデリバリーはどうなる?

この記事は1年以上前に書かれたものです。現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。

2022.08.05(最終更新日:2022.08.05)

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新型コロナウイルス感染症の影響もあり、実店舗や客席を持たないゴーストレストランを開業する企業や個人が増えてきています。
ゴーストレストランの普及により、今後のフードデリバリー業界はどのように進化していくのでしょうか。
この記事では、ゴーストレストランを開業する人が増えている理由や、実際の開業事例を紹介します。

ゴーストレストランとは

ゴーストレストランとは、客席を持たずデリバリーやテイクアウトによる料理の提供を専門にしている新たな飲食店の業態で、新型コロナウイルス感染症が流行した影響もあり近年増加しています。
Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館などのフードデリバリーサービスを通じて注文を受け、配達員がお客様のもとへ料理を提供するスタイルが基本となります。

ゴーストレストランについての詳細は、下記関連記事をご覧下さい。
ゴーストレストランとは?注目を集める理由や多様化する業態について詳しく解説

ゴーストレストランを開業する企業や個人が増えている理由

ゴーストレストランは、通常の飲食店と同様に開業には食品衛生責任者の資格や飲食店営業許可が必要です。
一方で客席用の広いスペースやホールスタッフを用意する必要がないため、飲食店の開業にかかる初期費用を大幅に抑えられるというメリットがあります。
特に、新規開業する個人にとっては、少ない開業資金で飲食店の営業を始められるため、ゴーストレストランで飲食店経営の夢を叶えたという方も少なくありません。

また、その注目度の高さから大手企業もゴーストレストラン事業に参入しており、今後も更なる増加が見込まれています。
ここからは、ゴーストレストランが増加している理由について、詳しく解説していきます。

コロナ禍によるデリバリー需要の増加

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、外食を控えて自宅で食事をする機会が増えたという方も多いでしょう。このような状況下で需要が急速に高まったのが、フードデリバリーサービスです。
2021年2月にICT総研が実施したアンケート調査(出典1)によると、フードデリバリーサービスの利用率は32.3%におよび、利用したことがない方のうちの70%が「今後利用してみたい」と回答しています。急増したデリバリー需要ですが、その利便性の高さから今後も需要はさらに高まっていくと考えられ、実際にさまざまな企業がフードデリバリーサービス事業に参入しています。

業態の多様化による参入障壁の低さ

ゴーストレストランは、飲食店側が出店する際の参入障壁が低いという点で注目が集まっています。
飲食スペースやホールスタッフを用意する必要がないため、食品衛生責任者の資格と飲食店営業許可を取得し、調理やオーダーの設備を整えれば、通常の飲食店と比較し低コストで開業することができます。近年ではシェアキッチンという多人数でキッチンをシェアする施設や、キッチンの間借りが普及したことで、調理スペースにかかるコストをさらに減することが可能となりました。

フードデリバリーサービスを利用することで、配達スタッフや決済システムを用意する必要もなくなり、少ない人数や少額の資金でも飲食店経営を始められるため、ゴーストレストラン事業に参入する個人や企業が増加しています。
また、ゴーストレストランのフランチャイズでは、未経験でもサポートを受けながらの開業が可能です。実店舗のある一般的な飲食店と比べると、開業準備にかかる期間が短く、開業資金も数十万円から開業可能となっているビジネスモデルが多いため、ゴーストレストランで飲食店経営の夢を叶えたという方も増えています。

ゴーストレストランの業態についての詳細は、下記関連記事をご覧下さい。
ゴーストレストランはどうやって営業している?フランチャイズをはじめとした店舗の業態を解説

実際にどんなゴーストレストランが開業している?

ここからは、実際にどのようなゴーストレストランが開業しているのか、いくつか事例を挙げて紹介します。

Ghost Kitchens

「Ghost Kitchens」は、株式会社ゴーストレストラン研究所が開業したゴーストレストランです。
スープ専門店やサラダ専門店、麻婆豆腐専門店など、複数の業態でゴーストレストランの営業を行っています。2020年6月には港区西麻布に2倍以上の規模となるキッチンをリニューアルオープンし、新ブランドを含む20ブランド以上の多彩なメニューを提供するようになりました。
また、リニューアルと同時に利用者の声として多かったテイクアウト専用カウンターを設け、注文方法はデリバリーと同じくフードデリバリーサービスを利用することで、料理のスムーズな提供を実現しています。

本まぐろ、生うに。白金海幸

「本まぐろ、生うに。白金海幸」は、港区白金にある海鮮丼専門店です。
「自宅で最高においしい海鮮丼を食べて欲しい」という思いでオーナーが個人で始めたゴーストレストランで、シェアキッチンを利用して開業しています。

「本まぐろ、生うに。白金海幸」は、白金高輪駅から徒歩10分の場所にある完全個室のクラウドキッチン「プラチナキッチン」の7号室にあり、デリバリーとテイクアウト専門ですが、テイクアウトで注文した商品はイートインスペースで食べることもできます。

DELI STATION(デリステーション)

合同会社Wiaasが開業した「DELI STATION(デリステーション)」は、全国各地で複数ジャンルのゴーストレストランを運営しています。

和食やタイ料理、NYデリや薬膳スープ専門店といった多彩なブランドを展開し、レシピやノウハウを開示するフランチャイズ形式で加盟店を続々と増加させています。
また、2021年には野村不動産株式会社とのコラボレーションによるシェアキッチン事業「DELI STATION X(デリステーション クロス)」を開始し、1号店として「DELI STATION X 田町」をオープンさせるなど、シェアキッチン業界にも参入してきています。

WE COOK(ウィ・クック)

「WE COOK」は、複数の大手飲食店を運営する1954年創業の株式会社WDIが開業したゴーストレストランです。
飲食業界の大手企業がゴーストレストラン事業に参入したことで、注目を集めました。港区六本木エリアを対象に展開し、現在は和食、メキシコ料理、ハワイ料理のブランドを展開しています。

イオンイーハート

イオン店舗内で「おひつご飯四六時中」などの飲食店を経営する株式会社イオンイーハートでは、既存店舗のキッチン設備を活用してゴーストレストランを開業しています。Uber Eatsと出前館2つのフードデリバリーサービスで注文することができ、オフィスや自宅にできたての料理を提供するデリバリー対応店舗を順次拡大中です。

LAWSON(ローソン)

コンビニ大手の株式会社ローソンでは、デリバリー専用として開発された商品を店内厨房で調理して提供するゴーストレストランの実証実験を東京都内の店舗で開始しています。
今後は外食チェーン店のメニューなども取り入れながら、飲食店が少ない地域でレストランの役割も担うようなデリバリーを目指し、2023年2月末には関東圏100店舗、2025年度には全国1,000店舗への導入を視野に展開が進められています。

ゴーストレストランが増えることでフードデリバリーメニューの選択肢が広がる!

今回は、企業だけではなく個人でも開業しやすい新たな飲食店業態として注目を集めるゴーストレストランについて解説しました。
実店舗と比べて手軽に営業をスタートできるゴーストレストランは、シェアキッチンや、フランチャイズを利用することで、初期投資を抑えつつ幅広いブランドで料理を提供できる魅力を持っています。新型コロナウイルス感染症の影響で外食を減らし、自宅で食事をする機会が増えた昨今、上場企業をはじめとする大手企業もゴーストレストラン事業へ参入しています。
ゴーストレストランの増加によってフードデリバリーメニューの幅が広がることは、自宅での食事時間がより楽しいものになり、私たち利用者にとってもうれしいメリットと言えるでしょう。今後どのようなゴーストレストランが開業されていくのか、引き続き動向に注目です。