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WILLCOOKで温めたカレーを食べながら、フェーズフリーについて考えてみた

2024.10.28(最終更新日:2024.10.28)

読了時間目安 9

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こんにちは。iX+編集部のYです。【EXP!】企画のカテゴリでは編集部が実際に使ったり体験してみて、“ときめいた”技術やサービスなどを等身大でお届けします。

今回体験したのは、布が発熱する特許技術を活用して、カバン型のポータブルレンジバッグや、防寒ジャケットなどを開発する企業WILLTEXの「WILLCOOK DRIVE」。

「WILLCOOK」はポータブルバッテリーや車内電源に接続すると通電によって繊維自体が発熱し、外出先でもレトルト食品を温めることが可能です。
※参考記事:/article/hitotachi-031/

フェーズフリーのアイテムをもっと生活に取り入れたい!

バッグ型やポーチ型など、さまざまなラインナップがある

2024年は、年始から改めて日々の備えを整えていかなければと考えさせられる年になりました。とはいえ、非常用にいろんなものを買い込み防災バッグを作る…ということに、なぜかハードルを感じてしまう私。

いつも使っていないものを緊急時に取り出せるだろうか?いざ使おうとしても壊れてしまっていたり、経年劣化していたら…?そういった定期点検も含めて防災ではあると理解しつつ、物の管理・保存が苦手な性質を考えると、どうも上手くいくことが想像できません。

そんな最中、WILLTEXの取材を通して「フェーズフリー」という考え方にとても共感しました。日々使っているものを、非常時にも使う。それならいざという時に「どこへしまったんだっけ…」みたいなこともないし、使い慣れている安心感が心を支えることもあるかもしれません。

”フェーズフリーとは:身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立つようにデザインしようという考え方、それが『フェーズフリー』です。

防災用品のほとんどは、ふだんはしまっていて、非常時のみに取り出して使うものです。
フェーズフリー品はちがいます。フェーズフリー品は日常時のいつもの生活で便利に活用できるのはもちろん、 非常時のもしもの際にも役立つ商品・サービス・アイデアです。”

一般社団法人 フェーズフリー協会から引用

まずは自分の防災意識を高めるための第一歩として、WILLTEXを試してみよう。フェーズフリーのアイテムを身の回りに置く生活を想像しながら、この記事を作ってみよう。……というわけで、公園へやって来ました。今回はピクニックがてら、WILLCOOKの使い方を体験してみようと思います。

近所の公園で、お昼ごはんに温かいカレーを食べてみる

この「WILLCOOK DRIVE」は、自動車での使用に特化したタイプ。USB端子から、車内電源やモバイルバッテリーで電気を供給することが可能で、ポーチ内で保温・加熱が可能なだけでなく、WILLCOOKシートを膝上や座面に置いて温めたりすることもできます。

付属のストラップを使って、ネックピローに巻き付けることも可能

サイズ感はコンビニなどで売ってる雨ガッパのパッケージぐらい、と言うと想像しやすいでしょうか。車に置いておくことが想定されたコンパクトさなのことはもちろんですが、カバンに入れて持ち運ぶにも邪魔になりません。重量も100gを切っているので、かさばったり、電子機器特有の重さも感じませんでした。むしろ持ってきたか不安で、鞄を何度か確認しました。

東京西部在住なのでちょっと行けば森のような公園があって、撮影が楽

本体はポーチ部分と、シート部分で取り外しができる仕様になっています。USB端子がついた専用のコネクターにスマホの充電器をシート部分に繋ぎ、スイッチを押すと加熱がスタート。シートだけ取り外せば、座布団やブランケットにも。

ではさっそく、加熱スタート!WILLCOOK公式によると、レトルトカレーの加熱はスイッチをオンしてから、約30分。スイッチをつけると、じんわり温度が上がっていくというよりは、すぐポカポカになるんです。とはいえこれは、体感してみないと分かりづらいかも…。

前回取材した際に、サーモグラフィーで温まり方を見せていただいた様子。布全体に満遍なく熱が加わっているのがわかります

今回は公園へ来てから温め始めたけれど、例えば家から出るタイミングで温め始めれば、目的地に到着するまでには熱々のカレーが食べられるかもしれません。あるいは、お惣菜やおかずを買って、これで保温しながら目的地まで持っていくとか。

レトルトカレーのパウチがピッタリ入るサイズ。意外と分厚いものも入りそう

キャンプやアウトドアだけじゃなくて、車でいろんな場所を観光するときのお供にも良さそう。有名店でテイクアウトしたご当地名物を、「冷める前に!」と言いながら車の中で食べるシーンって結構あるけれど、WILLCOOKで保温できれば、少し見晴らしのいいところまで温度をキープしたまま持っていけるかも。

あとは仕事が車移動で、昼食も車や公園で食べている人って結構多いけど、そういう場合は福利厚生として絶対これがあったほうがいいよな…そんなことも考えながら、温まるのを待ちます。

30分でカレーがホカホカに

「どれくらいあったかいんだろう…」と時々手を入れて温度を確かめつつ(これをしないほうが温度は上がる)、20分ほどでカレーのパウチがホカホカになって来ました。せっかち&空腹で今すぐ食べたい気持ちを抑えつつ、もう10分待って取り出してみます。写真では温度を伝えられませんが…。

タッパーで持って来た白いごはんに、温かくなったカレーをかけます。ごはんも一緒に温められたかも…ということには後から気付きました。とはいえ、美味しそ〜〜。温度のムラもなく、全体がちゃんと温まっています。

しかし…「温めてみました→温まりました」ってそのまますぎる?難しいことはひとつもなく、あまりに簡単に温かくなったので、むしろ「これで記事が書けるのか?」と心配になってきました。

こんなに拍子抜けするくらい簡単に使えるツールを身の回りにおいて置くということが、フェーズフリーの考え方そのもの、なのでしょうか。と考えているうちにカレーを完食。

温かいカレーが食べられる、そんな当たり前に感じる技術が非常時の心を温める

日常では、ごはんが温かいことも、寒い日には暖房がつくことも当たり前。お天気がいい日の公園で、カレーを食べて嬉しい気持ちになるのも、日常の中のちょっとした一コマです。

でも、万が一自然災害でインフラが停止したとき「そういえば、あれ使えるじゃん!」と思いつけるグッズがあることが心を支えるのではないか。そして何より、ものすごく手軽で、ものすごく簡単に使えるものである。だからこそ、困難な状況で頭でも混乱することなく使える。

フェーズフリーの観点でプロダクトを揃える上で「手軽であること」「用途がシンプルであること」は想像以上に重要だな、と考えを巡らせました。

前回取材の際、WILLCOOKに使用されている発熱する布を体感する様子。電源が流れると、一気に温かくなりました

アウトドアが好きな人、毎日会社へお弁当を持って行っている人、子育てをしている人。それぞれのライフスタイルに合わせて、WILLCOOKを身近に置いてみる。そして、日常的に当たり前の道具として使用を重ねていくことは、万が一が起きたときの心細さを支えてくれるのではないでしょうか。

決して安い買い物ではないけれど、WILLCOOKで確実に日常が少しだけ豊かになり、非常時には心強い支えになる。そんなフェーズフリーの視点でこれからは買い物をし、生活の道具を増やしていくことで、日常的に防災と自分をもっと結びつけていけたらなと思えました。


【プロフィール】
iX+編集部Y
「hitotachi」、「やさしいテック学」の編集を担当。


※本記事は筆者独自の観点で書いたものであり、所属する企業・団体の見解を表すものではありません。