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【Dive into メタバース!第1回】メタバースって何のこと?

この記事は1年以上前に書かれたものです。現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。

2022.06.02(最終更新日:2022.08.04)

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皆さんは “好き”や“ワクワク”に出会ったときの気持ちを覚えていますか?
「EXP!(エクスぺ)」のコーナーではiX+(イクタス)編集部が“ときめいた”技術や体験を等身大でお届けします。

今回の記事では最近よく話題になっている「メタバース」について、iX+編集部藤野が数回に分けて解説・紹介していきます。

メタバースとは

みなさんはメタバースと聞いて何を思い浮かべますか?
「VR」「AR」「NFT」「ブロックチェーン」「ゲーム」「アバター」…色々ありますよね。
いずれもメタバースを構成する大事な要素です。ただし、これらはメタバースそのものではありません。

メタバースについて、私自身の言葉で表現するとすれば、『バーチャル空間上で“社会”が存在している状態』です。

ここでいう“社会”には様々な意味が包含されます。
経済活動であったり、創作活動であったり、コミュニケーションであったり。
どの側面を切り取り、何を重視するかによっても異なりますが、そのバーチャル空間で自己投影をしながら「生活している」、「生きている」と感じることができれば、そこがその人にとってメタバースになると私は考えています。

例えば、サイバーエージェント社が提供している「pigg(ピグ)」のような2Dアバター(分身)を用いたコミュニケーションサービスも、アバターや部屋のカスタムマイズができ、アイテムのトレードや購入ができ、ユーザー同士のコミュニケーションができるという意味では、メタバースと言えると思います。

重要なことは、バーチャル空間が2Dか?3Dか?VRか?といったインターフェースではなく、自分が「そこにいる」実感や、相手が「目の前にいる」感覚で交流をしたり生活を送る、ということです。
2Dアバターでも、強い愛着やアイデンティティを持つことで、自然とアバターに自己投影される方もいらっしゃるでしょう。
また、カスタムしたアバターや部屋に対して、他のユーザーから『可愛いね!』『素敵だね!』と言われることで相手も自分も「そこに存在する」とバーチャル上での社会を感じることがあると思います。
そういった方々からすれば、その空間は紛れもないメタバースであるといえるのではないでしょうか?

ただ、人によっては2Dの情報から相手も自分も「そこに存在する」という感覚を感じることはハードルが高く、単純にチャットツールとして利用したりゲームのキャラクターを操作して利用しているのではと感じています。逆に、3Dの世界にいたとしても、その世界に入り込み生活するような没入感がない場合は、メタバースとは言えないと私は考えています。

このように、使う人や使い方によって、同じ空間でもメタバースであったりなかったりする…というのが私の意見です。

メタバースを体験しやすくするもの

では、よりメタバースを感じるにはどんなことが必要なのでしょうか。
私は「VRデバイスを利用してバーチャル世界を体感すること」で、よりメタバースを感じやすくなると考えています。
ゲームなどのようにコントローラーでキャラクターを動かすのではなく、VRデバイスを利用して自分自身が動くことで、自然と没入感がうまれ、バーチャル空間での生活を実感しやすくなるからです。

たとえば、VRデバイスで比較的イメージしやすいものとしてはゴーグル型のVRデバイス(VRゴーグル)がありますが、視覚情報からバーチャル世界を実現しており、身に着けるだけで別の世界にいるような感覚を味わうことができます。

なお、VRデバイスは視覚だけでなく、聴覚、触覚など五感それぞれに働きかけるものや、表情や手足など行動を読み取るデバイスも開発されています。
情報が多ければ多いほど、自分自身の空想力で補完する必要がなくなるため、バーチャル空間上の分身であるアバターに対して自己同一性(アイデンティティ)を感じやすく、より多くの人がメタバースとしてバーチャル空間を楽しむことができるようになります。
将来的には、脳と直接信号をやり取りして現実と完全に区別が出来ない世界が来るかもしれませんね。

メタバース体験に欠かせない「アバター」

さらにメタバースを快適に体験するためには、VRデバイスの用意だけではなく「アバター」の用意が重要であると言えます。アバターは自分自身の分身であり、アイデンティティを強く形成できる存在であるからです。
アバターへのアイデンティティが強ければ強いほど、現行のVRデバイスに不足している部分を脳が自然に補ってくれると私は感じています。

なりたいアバターを作ることで、より没入感が生まれる

メタバースはバーチャル空間にあるため、アバターは工夫次第で“なりたい自分”になることができます。現実世界の自分よりもアバターこそが自分自身であると感じる方もいるほどです。
では、どのように“なりたい自分“なアバターを準備すればよいでしょうか?方法は大きく3つありますので、順番に紹介していきます。

① 用意されたものを使う(難易度:低)

サービス側で用意されたアバターの中から好きなものを選択する方法です。
顔や服装のパーツを選ぶものや、いくつかのプリセットが用意されているものなど、サービスによって様々です。中には、自分の写真から自動生成するサービスもあります。
選択肢は限られますが、その中にも“なりたい自分”に近いものがあるのではないでしょうか?

国産メタバースプラットフォームcluster 初期アバター選択画面

② マーケットから購入・DLする(難易度:中)

デジタルコンテンツを販売するプラットフォームでは、クリエイターが作成したアバターが多数販売されています。またメタバース空間内での販売が行われる場合もあります。
3Dモデルへの知識があれば衣服のカスタマイズすることも可能で、理想のアバターを作ることが可能です。

アバターを販売しているサービスの例としては、世界最大バーチャルイベント「バーチャルマーケット」の公式ECサイト「Vket Store」やピクシブ株式会社が運営する「BOOTH」などが挙げられます。

創作物の総合マーケット 「BOOTH」

③ 自分で作る(難易度:高)

3Dモデルのソフトウェアを用いて自分で作る方法で、技術さえあれば思い描いた通りのアバターを制作できます。中には、ユーザーが自由に形状やテクスチャ(絵)をいじることで簡単に自分好みのアバターを創り出すような便利な「VRoid Studio」といったソフトウェアもあります。

アバター制作アプリ「VRoid Studio」カスタマイズ画面

アバターを作ってみた!

ここまで、メタバースとそれをより体感するための方法についてお伝えしてきました。
本連載では次回以降、実際のメタバースの世界を紹介していきたいと思いますので、世界を動き回るためにアバターを作ってみました!

マーケットを見ていたら「なりたい!」アバターが販売されていたため、今回は「②マーケットから購入・DLする方法」で準備しました。
アバターについては、ひゅうがなつさんの「シリウス」を購入しました。
*アバターを購入して利用する場合、著作権や利用範囲などに注意しましょう。

BOOTH 「シリウス」アバター販売ページ

「シリウス」はそのままでも十分可愛いのですが、“なりたい自分”になるために、「Unity」と呼ばれるゲームエンジンツールを用いて髪型や服装などをカスタムします。
私がリアルでも愛用しているブランドのコートがバーチャル世界でも販売されていたため、Unityに読み込んで服を着せていきます。

筆者(左)と同じ服を着るアバター(右)

Unityを用いたアバターのカスタマイズは若干の専門知識が要求されるため、ハードルは少し高めですが、出来上がったアバターでVR世界にdiveした瞬間、「あ。自分、かわいい!」と自己肯定感爆上げになりますので、是非挑戦してみてはいかがでしょうか?

筆者がUnityにてカスタムしている様子

“なりたい自分”のアバターでメタバース生活をすると、より没入感が増し、“ここに住んでいる”という感覚が自然に芽生えてきますのでおすすめです!

ということで、今回は「メタバース」と、メタバースを体験するために必要なアバターについてお伝えしました。
次回からは、先ほど作成した藤野のアバター「ふーにゃん」として、実際のメタバースの世界をご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

[プロフィール]

藤野稔●ふじの・みのる

iX+編集部。
化学工学を専攻しプラントエンジニアとして入社したが、未来に少しでも近づきたくて新規事業部門に異動となる。
ガジェットとインターフェースが大好き。気になったものはいち早く試すために、海外のモノでも個人輸入してでも手に入れるタイプ。
演算処理分野に興味があり、グリッドコンピューティングボランティアBOINCにて日本二位という隠れた実績がある。