炊飯器の利用状況を毎日プッシュ通知、直近2週間の炊飯状況も確認可能
タイガー魔法瓶は、スマートフォンと連携したIoT搭載の炊飯器を展開しています。専用アプリ「TIGER HOME」を使って、外出先から遠隔で炊飯予約時間を変更したり、炊いたご飯の食感や味をフィードバックして自分好みの銘柄米を見つけたり、便利な機能が充実しています。
同アプリは、自宅の炊飯器だけでなく、遠方に住む家族が使う炊飯器も登録可能。見守り設定をONにすると、利用状況のプッシュ通知が毎日20時に届くため、家族の様子をさりげなく見守ることができます。また、直近2週間の炊飯状況も確認でき、家族の体調管理にも役立ちます。
同社によると、60歳以上の親と離れて暮らしている30代以上の男女313人に調査を行ったところ、離れて暮らす親と実際に会っている頻度は「1年に1回以下」が23.0%ともっとも最多に。連絡頻度も5割以上が「月に1回以下」と答えており、コミュニケーションの少なさがうかがえます。
また、9割以上が「見守り機能付きのIoT機器を未導入」と回答しましたが、すでに導入している人の約7割が「連絡が取れない不安や負担が解消された」と回答しています。ご飯を炊くだけで、いつもと変わりなく過ごしていることが想像できる「TIGER HOME」は、不安解消に効果的なツールとなりそうです。
使用履歴を1日3回通知する電気ポット、おでかけボタンや空だき通知も
象印マホービンは、電気ポットを使った安否確認サービス「みまもりほっとライン」を展開しています。離れて暮らす家族が通信機能を持った「iポット」を使用すると、IoTプラットフォームに情報を蓄積。あらかじめ指定された時刻に、使用履歴がメールで届く仕組みです。Wi-Fi接続も不要なため、手軽に利用できます。
1日3回届く「情報通知サービス」には、使用状況のほか、給湯や電源投入などの情報も含むため、離れて暮らす家族の様子をそっと見守ることができます。さらに、最新情報を知りたいときに便利な「メールリクエストサービス」、過去の使用状況をグラフ化することで生活リズムを把握できる「ホームページサービス」も利用可能です。
サービス開始から20年以上の実績があるみまもりほっとライン。おでかけボタンを押すだけで外出・帰宅を知らせてくれる機能も。さらに、2023年5月にはフルリニューアルを行い、初のクラウド化を実施。空だきや未操作時間の通知が、新たに追加されました。操作ミスが続いたり、長時間未使用だったりすると、認知症の兆しを察知できるなど、さまざまな活用ができそうです。
テレビを活用した見守りサービス、GPSや心拍数アプリとの併用も可能
徳島のIT企業エヌ・エム・エスは、テレビを活用した見守りサービス「みるモニ」を開発。モバイル通信機能(4G/LTE)と各種センサーを内蔵した専用機器をHDMIケーブルでテレビに接続すると、テレビの視聴状況を記録するサービスです。テレビを視聴しない時間帯には、人感センサーで活動状態を検知。オプションを追加すれば、トイレや脱衣所、玄関など、リビング以外の場所にワイヤレスの人感センサーユニットを設置することも可能で、自宅内の様子をまんべんなく知ることができます。
このほか、温度と湿度から「暑さ指数」を算出し、危険レベルに達するとテレビ画面で熱中症警告を表示する機能も。緊急時には、緊急ボタンを押すと、スマートフォンアプリを通じて緊急通知が送信されるので、早急な対応ができます。そして、新たに追加されたテレビメッセージ機能では、スマートフォンからテレビに向けて、メッセージやアイコンを送ることも可能。なお、警告やメッセージは、テレビが点いていなくても、自動で電源を入れてメッセージを表示してくれます。
なお、みるモニGPSアプリを併用すると、外出・帰宅を検知してスマートフォンに通知。おおまかな現在地をマップ上に表示してくれるため、自宅内外の見守りを一度に行えます。さらに、みるモニ心拍数アプリとの連動で、心拍数の確認も可能です。
クラウドに記録された情報を専用アプリでチェックすることで、毎日の安否確認ができるみるモニ。複数のスマートフォンで見守ることができるほか、記録される情報が多岐にわたるため、高品質で手厚い見守りが期待できます。
世界初のIoT電球、電気を点けるだけで安否確認や防犯対策が可能に
スタートアップのハローテクノロジーズが開発した「Hello Light(ハローライト)」は、LEDとSIMが一体化した世界初のIoT電球。LPWA(Low Power Wide Area)に対応しているため、Wi-Fiは不要。電球を交換するだけで利用可能です。電気を点けるだけで、クラウドに通知し、離れた家族に点灯状況を知らせてくれます。
点灯検知のほか、一日の間に点灯や消灯の動きがないと、通知が届く期間通知も。リビングやトイレに設置するだけで、離れて暮らす家族の安否確認ができます。また、市販の人感センサーソケットを併用すれば、侵入を検知して自動点灯し、防犯にも効果的。現在までに約4万個の販売実績があり、手軽な見守り家電として注目を浴びています。
点灯しっぱなし、点灯しないなどの情報から、相手の状況を想像することができるHello Light。ヤマト運輸の「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」でも活用されており、ヤマト運輸のスタッフが電球の取り付けを代行。点灯・消灯が24時間検出されなければ、家族の依頼に応じて自宅を訪問してくれるサービスも展開しています。
また、2024年9月には、電球の点灯を知らせる専用アプリHello Appをリリース。従来はメールによる通知でしたが、電球の点灯を音とプッシュ通知で教えてくれるので、ますます便利に活用できそうです。
遠く離れた家族をさりげなく気遣う、見守り家電
見守り家電は、離れて暮らす家族の様子をさりげなく見守ることができます。同居している場合でも、スマートフォンで気軽にチェックできるので、仕事中や外出中でも安心。生活リズムも把握でき、体調の変化や異変に気付きやすくなります。
また、高齢の家族の場合、電話やメールでの連絡が面倒だったり、カメラやモニターでの見守りだと監視されているようで抵抗があることも…。その点、見守り家電であれば、いつもと同じ日常生活を送るだけなので、お互いに精神的な負担をかけることもありません。
使用履歴に変化があれば連絡を取ってみるなど、家族間のコミュニケーションにもつながりそうな見守り家電。年末年始に帰省したタイミングで、離れて暮らす家族にプレゼントしてもいいかもしれませんね。
文/渡邊晃子
フリーライター。1983年生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て、2010年からフリーランス
のライターとして活動。WEB媒体を中心に、エンタメ、ライフスタイル、テック、子育て
などの分野で執筆を行う。