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家族が遠方に住んでいても安心…手軽に安否確認できる「見守り家電」テック

2024.11.18(最終更新日:2024.11.18)

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年末年始は実家に帰省したり、離れたところに住んでいる家族に会ったりと家族団らんのひとときを過ごす人も多いのではないでしょうか。一方で、家族と離れて暮らしていると、毎日元気で過ごしているか気になるもの……。特に、高齢の家族がいると、万が一何かあったときにすぐに気づけるサービスがあると安心です。

そんな人におすすめしたいのが、「見守り家電」。冷蔵庫やテレビ、エアコン、電球など、日常的に使う家電を使って、離れて暮らす家族を見守ることができるサービスが続々登場しています。そこで今回は、気軽に安否確認ができる見守り家電をご紹介します。

炊飯器の利用状況を毎日プッシュ通知、直近2週間の炊飯状況も確認可能

専用アプリ「TIGER HOME」(提供:タイガー魔法瓶)

タイガー魔法瓶は、スマートフォンと連携したIoT搭載の炊飯器を展開しています。専用アプリ「TIGER HOME」を使って、外出先から遠隔で炊飯予約時間を変更したり、炊いたご飯の食感や味をフィードバックして自分好みの銘柄米を見つけたり、便利な機能が充実しています。

同アプリは、自宅の炊飯器だけでなく、遠方に住む家族が使う炊飯器も登録可能。見守り設定をONにすると、利用状況のプッシュ通知が毎日20時に届くため、家族の様子をさりげなく見守ることができます。また、直近2週間の炊飯状況も確認でき、家族の体調管理にも役立ちます。

同社によると、60歳以上の親と離れて暮らしている30代以上の男女313人に調査を行ったところ、離れて暮らす親と実際に会っている頻度は「1年に1回以下」が23.0%ともっとも最多に。連絡頻度も5割以上が「月に1回以下」と答えており、コミュニケーションの少なさがうかがえます。

また、9割以上が「見守り機能付きのIoT機器を未導入」と回答しましたが、すでに導入している人の約7割が「連絡が取れない不安や負担が解消された」と回答しています。ご飯を炊くだけで、いつもと変わりなく過ごしていることが想像できる「TIGER HOME」は、不安解消に効果的なツールとなりそうです。

タイガー魔法瓶調べ(提供:タイガー魔法瓶)

使用履歴を1日3回通知する電気ポット、おでかけボタンや空だき通知も

「みまもりほっとライン」(提供:象印マホービン)

象印マホービンは、電気ポットを使った安否確認サービス「みまもりほっとライン」を展開しています。離れて暮らす家族が通信機能を持った「iポット」を使用すると、IoTプラットフォームに情報を蓄積。あらかじめ指定された時刻に、使用履歴がメールで届く仕組みです。Wi-Fi接続も不要なため、手軽に利用できます。

「みまもりほっとライン」(提供:象印マホービン)

1日3回届く「情報通知サービス」には、使用状況のほか、給湯や電源投入などの情報も含むため、離れて暮らす家族の様子をそっと見守ることができます。さらに、最新情報を知りたいときに便利な「メールリクエストサービス」、過去の使用状況をグラフ化することで生活リズムを把握できる「ホームページサービス」も利用可能です。

サービス開始から20年以上の実績があるみまもりほっとライン。おでかけボタンを押すだけで外出・帰宅を知らせてくれる機能も。さらに、2023年5月にはフルリニューアルを行い、初のクラウド化を実施。空だきや未操作時間の通知が、新たに追加されました。操作ミスが続いたり、長時間未使用だったりすると、認知症の兆しを察知できるなど、さまざまな活用ができそうです。

テレビを活用した見守りサービス、GPSや心拍数アプリとの併用も可能

徳島のIT企業エヌ・エム・エスは、テレビを活用した見守りサービス「みるモニ」を開発。モバイル通信機能(4G/LTE)と各種センサーを内蔵した専用機器をHDMIケーブルでテレビに接続すると、テレビの視聴状況を記録するサービスです。テレビを視聴しない時間帯には、人感センサーで活動状態を検知。オプションを追加すれば、トイレや脱衣所、玄関など、リビング以外の場所にワイヤレスの人感センサーユニットを設置することも可能で、自宅内の様子をまんべんなく知ることができます。

このほか、温度と湿度から「暑さ指数」を算出し、危険レベルに達するとテレビ画面で熱中症警告を表示する機能も。緊急時には、緊急ボタンを押すと、スマートフォンアプリを通じて緊急通知が送信されるので、早急な対応ができます。そして、新たに追加されたテレビメッセージ機能では、スマートフォンからテレビに向けて、メッセージやアイコンを送ることも可能。なお、警告やメッセージは、テレビが点いていなくても、自動で電源を入れてメッセージを表示してくれます。

なお、みるモニGPSアプリを併用すると、外出・帰宅を検知してスマートフォンに通知。おおまかな現在地をマップ上に表示してくれるため、自宅内外の見守りを一度に行えます。さらに、みるモニ心拍数アプリとの連動で、心拍数の確認も可能です。

クラウドに記録された情報を専用アプリでチェックすることで、毎日の安否確認ができるみるモニ。複数のスマートフォンで見守ることができるほか、記録される情報が多岐にわたるため、高品質で手厚い見守りが期待できます。

世界初のIoT電球、電気を点けるだけで安否確認や防犯対策が可能に

Hello Light(提供:ハローテクノロジーズ)

スタートアップのハローテクノロジーズが開発した「Hello Light(ハローライト)」は、LEDとSIMが一体化した世界初のIoT電球。LPWA(Low Power Wide Area)に対応しているため、Wi-Fiは不要。電球を交換するだけで利用可能です。電気を点けるだけで、クラウドに通知し、離れた家族に点灯状況を知らせてくれます。

点灯検知のほか、一日の間に点灯や消灯の動きがないと、通知が届く期間通知も。リビングやトイレに設置するだけで、離れて暮らす家族の安否確認ができます。また、市販の人感センサーソケットを併用すれば、侵入を検知して自動点灯し、防犯にも効果的。現在までに約4万個の販売実績があり、手軽な見守り家電として注目を浴びています。

「Hello App」(提供:ハローテクノロジーズ)

点灯しっぱなし、点灯しないなどの情報から、相手の状況を想像することができるHello Light。ヤマト運輸の「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」でも活用されており、ヤマト運輸のスタッフが電球の取り付けを代行。点灯・消灯が24時間検出されなければ、家族の依頼に応じて自宅を訪問してくれるサービスも展開しています。

また、2024年9月には、電球の点灯を知らせる専用アプリHello Appをリリース。従来はメールによる通知でしたが、電球の点灯を音とプッシュ通知で教えてくれるので、ますます便利に活用できそうです。

遠く離れた家族をさりげなく気遣う、見守り家電

見守り家電は、離れて暮らす家族の様子をさりげなく見守ることができます。同居している場合でも、スマートフォンで気軽にチェックできるので、仕事中や外出中でも安心。生活リズムも把握でき、体調の変化や異変に気付きやすくなります。

また、高齢の家族の場合、電話やメールでの連絡が面倒だったり、カメラやモニターでの見守りだと監視されているようで抵抗があることも…。その点、見守り家電であれば、いつもと同じ日常生活を送るだけなので、お互いに精神的な負担をかけることもありません。

使用履歴に変化があれば連絡を取ってみるなど、家族間のコミュニケーションにもつながりそうな見守り家電。年末年始に帰省したタイミングで、離れて暮らす家族にプレゼントしてもいいかもしれませんね。



文/渡邊晃子
フリーライター。1983年生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て、2010年からフリーランス
のライターとして活動。WEB媒体を中心に、エンタメ、ライフスタイル、テック、子育て
などの分野で執筆を行う。