当社サイトでは、サイト機能の有効化やパフォーマンス測定、ソーシャルメディア機能のご提供、関連性の高いコンテンツ表示といった目的でCookieを使用しています。クリックして先に進むと、当社のCookieの使用を許可したことになります。Cookieを無効にする方法を含め、当社のCookieの使用については、こちらをお読みください。

自動運転レベルの定義を分かりやすく解説!レベルが上がるとどうなる?

2022.04.27(最終更新日:2022.08.10)

読了時間目安 10

シェアする

自動運転のレベルは、搭載されている技術に応じて0〜5の6段階に分けられているのをご存知でしょうか。
今回は、自動運転のレベルの定義について分かりやすく解説したうえで、日本の市販車の自動運転レベルはどの段階なのかを紹介します。
自動運転レベルが上がるとどんな社会になるのか、運転レベルを上げるためにどんな課題を解決しなければならないのかなど、ぜひこの機会に自動運転の将来を考えていきましょう。

自動運転レベルとは

自動運転のレベルは、2016年9月にアメリカのSAE(Society of Automotive Engineers)が示した「SAE J3016」の定義によって6段階のレベルに区分されています。
まずは、それぞれのレベルの詳細を解説します。

レベル0(運転自動化なし)

自動運転レベル0とは、自動運転に関する技術がまったく搭載されていない状態です。
ドライバーが主体となり、すべての運転タスクを実施する必要があります。

レベル1(運転支援)

自動運転レベル1とは、システムが前後・左右のいずれかの車両制御にかかる運転タスクのサブタスクを実施する段階を指します。
例えば、自動で止まる・前の車に付いて走るACC(Adaptive Cruise Control)・車線からはみ出さないように走行するLKAS(Lane Keep Assist System)などが該当します。
ただしこの段階では、運転の主体となるのはドライバーです。

レベル2(部分運転自動化)

自動運転レベル2とは、システムが前後・左右の両方の車両制御にかかる運転タスクのサブタスクを実施する段階を指します。
例えば、車線を維持しながら前の車に付いて走る(LKAS+ACC)自動運転車は、レベル2の段階となります。
ただしこの段階でも、運転の主体となるのはドライバーです。

レベル3(条件付運転自動化)

自動運転レベル3になると、高速道路や特定の敷地内など限定された領域内におけるすべての運転タスクをシステムが実施します。
一定の条件は付くものの、この段階からは運転の主体はシステムとなります。
ただしシステムの介入要求などに対して、ドライバーが適切に対応することが必要です。

レベル4(高度運転自動化)

自動運転レベル4では、限定領域内におけるすべての運転タスクをシステムが実施し、ドライバーの介入は基本的に必要ありません。
運転の主体はシステムとなり、この段階以上になると無人での自動運転も可能となります。

レベル5(完全運転自動化)

自動運転レベル5とは、すべての領域において、常にシステムが運転タスクを実施する完全自動運転の状態を指します。
ドライバーの介入は基本的に必要なく、運転の主体はシステムとなるため、自動運転レベル4と同じく無人での自動運転が可能です。

自動運転についての詳細は、下記関連記事をご覧下さい。
自動運転とは?メリットや課題、自治体の取り組み事例を紹介

日本の市販車の自動運転レベルはどれくらい?

本田技研工業株式会社やトヨタ自動車株式会社といった国内自動車メーカーは、すでに自動運転レベル2の技術を搭載した車種を販売していますが、2022年3月現在では日本でもレベル3の自動運転車両が少しずつ見られるようになっています。
ここでは、日本の市販車の自動運転レベルについて、本田技研工業株式会社とトヨタ自動車株式会社の事例を元に具体的に紹介します。

本田技研工業

道路交通法と道路運送車両法の改正により、2020年4月に自動運転レベル3の車両の公道走行が解禁された後、2020年11月には本田技研工業株式会社の自動運行装置「Traffic Jam Pilot(トラフィック・ジャム・パイロット)」が国土交通省の型式指定を取得しました。
2021年には同装置を搭載した自動運転車「LEGEND(レジェンド)」の発売を開始し、世界初のレベル3を実現した運転技術を搭載した車種として注目を集めました。
LEGENDは、高速道路の渋滞時など特定の条件下で、ドライバーに代わってシステムが運転操作を行うことが可能となっています。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村において、レベル4相当の技術を搭載した自動運転シャトル「e-Palette(イーパレット)」の移動サービスを提供したことで話題となりました。
e-Paletteは周囲や乗員の安全に配慮できる低速自動運転(最高速度は時速19km)で、周囲360°の障害物を常に検知し、システム異常時には同乗するオペレーターが緊急停止ブレーキを操作することができます。また、フラットフロアを採用しているため、車椅子での乗車も可能となっています。

自動運転レベルが上がるとどんな社会になる?

2025年を目途に、遠隔監視のみの無人自動運転移動サービスの実現、高速道路におけるレベル4の自動運転トラックの実現を目指す方針も公表されていますが、自動運転のレベルが上がることでどのような社会に変化していくのでしょうか。
自動運転のレベル向上が社会にもたらすメリットとして、以下が挙げられます。

ドライバーに起因する交通事故の件数が減る

道路渋滞が緩和される

高齢者も安全に運転を続けることができる

高齢化や過疎化が進む地域での移動サービスに活用できる

物流サービスなどにおける運転手不足を解決できる

日本の自動車産業の国際競争力が強化される

今後自動運転の技術開発が進み、社会に実装されれば、道路交通に関する多くの社会問題の解決が期待できます。交通事故件数の減少や道路渋滞の緩和は、より安全で円滑な交通社会の実現につながるでしょう。
さらに、利用者の移動ニーズに対応し、複数の公共交通や移動サービスを組み合わせて検索・予約・決済を一括で行えるサービス「MaaS(Mobility as a Service)」において自動運転車が活用されれば、新しい観光用移動サービスを提供することも可能です。
ほかにも、地域の巡回バスや呼び出し型の自動運転タクシーなど、幅広い移動サービスに自動運転車が活用される日も遠くないのかもしれません。
日本の自動車産業は、世界でもトップレベルの競争力を維持しています。自動運転分野においても、国内自動車メーカー各社の技術開発に期待して、動向に注目していきましょう。

自動運転を社会実装するために取り組むべき課題

自動車メーカーによる技術開発が進み、性能に優れた自動運転車の製造が実現できたとしても、それだけでは自動運転車を社会実装することはできません。
自動運転車を社会実装するためには、取り組むべきいくつかの課題があります。

安全性の一体的な確保

自動運転車を安心して走行させるためには、満たすべき安全性の要件や安全確保のための方策について、十分に検討を重ねたうえでガイドラインとして取りまとめる必要があります。
自家用車として活用する場合はもちろん、物流用のトラックや移動サービスとして自動運転車を活用する場合においても、一体的に安全性を確保することは重要です。

ルールの整備

自動運転車を公道で走らせるために必要なのが、交通ルールのあり方や保険を含む責任関係の明確化など、法律に関する整備です。
日本においては、レベル3の自動運転車が公道を走るための法整備は完了しているものの、運転手が不要となるレベル4の導入については法整備が完了していません。事故が起きた場合の責任判断についても、警察庁と法務省が検討を進めています。

システム実証

自動運転車の安全性や信頼性の社会的な認知に欠かせないのが、システム実証です。
各メーカーや自治体、国土交通省などが連携しながら自動運転車のシステム実証を実施し、成果の共有などを行う必要があります。
実際に、自動運転の実現に向けた実証実験は、現在も全国の自治体で行われています。

実用化に向けて加速する自動運転レベルに注目しよう

自動運転レベルの定義や日本の現状、取り組みについて紹介してきました。
2022年3月現在で導入されている市販車はレベル3までですが、レベル4の自動運転車についても、自動車メーカーによる技術開発や国による法整備が進められている段階です。
今後は2025年を目途にレベル4の自動運転車の社会実装や実用化を目指し、官民一体となった技術開発や実証実験などの動きが加速するものと予想されます。
引き続き、自動運転を巡る動きに注目していきましょう。