EVスポーツカーとは
スポーツカーとは、運転を楽しむことを目的として、スポーツドライビングに重点を置いて設計された自動車のことを指します。
スポーツカーのなかでも、電気を動力源としてモーターを動かすスポーツカーはEVスポーツカーと呼ばれており、ほかにもバッテリーとガソリンを両方使用するPHEV(プラグインハイブリッド自動車)のスポーツカーなどさまざまな種類があります。
EVスポーツカーとガソリン車との違い
近年、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに目指す動きが世界各国で進んでおり、自動車メーカー各社が走行中にCO2が排出されないEVの開発に取り組んでいます。
EVスポーツカーは操作性に優れており、滑らかかつ力強い発進加速が特徴で、なかにはスイッチでドライブモードを選択できるタイプもあります。ガソリン車と比較すると、振動や騒音などが少ないのも魅力です。
一方で、EVスポーツカーには、バッテリーの充電に時間がかかるというデメリットもあります。ガソリンなどの化石燃料の給油が約5分で済むのに対し、バッテリーのフル充電は1回あたり約30分ほどかかります。
EVスポーツカーの車種を紹介
続いては、現在販売されているEVスポーツカーやPHEVスポーツカーの車種を紹介します。
ポルシェ「Taycan」
ポルシェ初のEVスポーツカー「Taycan(タイカン)」は、0-100km/hの加速にわずか2.8秒で到達するスペックです。
最高速度は時速230km、航続距離は最長484kmとなっています。
バッテリー総容量は79.2kWhで、0%の状態からフル充電までにかかる時間は普通充電で約8時間、急速充電で約93分です。
また、100%電動で走行するため、走行時にCO2は排出されません。
フェラーリ「SF90 Stradale」
「SF90 Stradale(ストラダーレ)」は、フェラーリ初のPHEVスポーツカーです。
0-100km/hの加速がわずか2.5秒と発進加速性能に優れており、最高速度は時速340kmとなっています。
ハイブリッド車ならではの強力なパフォーマンスを備えており、ガソリン車よりもCO2排出量を低減することが可能です。
マクラーレン「アルトゥーラ」
「アルトゥーラ」は、マクラーレン初のハイパフォーマンスなPHEVスポーツカーです。
最高速度は時速330kmとPHEVスポーツカーならではの強力な走りが特徴で、市街地ではバッテリーのみで最長30kmの距離をCO2排出量ゼロで走行することができます。
なお、その際の最高速度も時速130kmにもおよぶなど、PHEVスポーツカーならではのパフォーマンスを実現しています。
EVスポーツカーの課題とこれから
海外ではEVスポーツカーの生産も始まっていますが、日本ではまだ実用化には至っていません。
それには以下のような課題が原因だと言われています。
バッテリーの容量や重量により航続距離が短くなってしまう点
給油なら約5分で済むのに対し、海外のEVスポーツカーでも現状は満充電までに数時間以上かかる点
EVスポーツカーの普及に向けて、これらの課題を解決すべく海外だけでなく日本においても、自動車メーカー各社が技術開発を進めています。
例えば、本田技研工業株式会社では、EV専用のプラットフォームを採用したコンパクトなボディーに、レスポンスに優れた電動パワーユニットを搭載した「HondaSportsEV Concept」を東京モーターショーにて発表しました。
人と車の「一心同体」をコンセプトにしたスポーツカーであり、モーターならではの滑らかな加速や静粛性が魅力とされています。
EVスポーツカーの今後に注目しよう
今回は、EVスポーツカーとガソリン車との違いや車種、EVスポーツカーが抱える課題について紹介しました。
EVシフトが進む社会情勢の中で、自動車メーカーはユーザーのニーズに応えるべく、EVスポーツカーの開発に力を注いでおり、今後さらにEVスポーツカーの車種が増えることが予想されます。
EVスポーツカーを巡る状況に注目しつつ、ガソリン車にはない加速や静穏性を体験してみてはいかがでしょうか。
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